ザンジバル
ザンジバル2026:旅行前に知っておくべきこと
ザンジバルという名前を聞いて、どんなイメージが浮かぶだろうか。白い砂浜、ターコイズブルーの海、スパイスの香り――そのすべてが本当だ。しかし、実際に行ってみると、それ以上のものがある。アフリカとアラビアとインドの文化が交差する、世界でも稀有な場所。ここでは、日本人旅行者が快適にザンジバルを楽しむために、出発前に押さえておくべきポイントを整理しておく。
入島時のZIC保険について:2024年から、ザンジバルに入島するすべての外国人旅行者はZIC(Zanzibar Insurance Corporation)の旅行保険への加入が義務化されている。費用は44USDで、オンラインで事前に購入するか、到着時に空港で購入できる。日本の海外旅行保険に加入していても免除にはならないので注意が必要だ。オンライン事前購入を強く推奨する。空港の窓口は混雑することがあり、現金のみ対応の場合もある。
通貨と支払い:ザンジバルではタンザニア・シリング(TZS)が公式通貨だが、観光エリアではUSドルが広く使われている。ホテル、ツアー、レストランの多くはUSD建てで価格を表示している。ただし、2013年以降に発行されたUSD紙幣のみ受け付けられる。これは非常に重要で、古い紙幣は両替所でも拒否されることがある。日本で両替する際は、必ず新しい紙幣を指定しよう。クレジットカードは高級ホテルや一部のレストランで使えるが、JCBカードはほぼ使えないと考えた方がよい。VISAまたはMastercardを持参すること。ATMはストーンタウンに数台あるが、手数料が高く、引き出し限度額も低い。現金を多めに持っていくのが賢明だ。
文化的な配慮:ザンジバルはイスラム文化圏であり、人口の約97%がムスリムだ。ビーチリゾート以外の場所、特にストーンタウンでは、肌の露出を控えた服装を心がけよう。女性は肩と膝を覆う服装が望ましい。ラマダン期間中は、公共の場での飲食を控えるのがマナーだ。日本人は礼儀正しいという評判があり、地元の人々は概して友好的に接してくれる。
ザンジバルのエリアガイド:どこに泊まる?
ザンジバル島(ウングジャ島)は意外とコンパクトで、南北約85km、東西約30km。それでもエリアごとに雰囲気が大きく異なる。どこに泊まるかで旅の印象がまったく変わるので、慎重に選びたい。
ストーンタウン(島の西側・中心部)
ストーンタウンはザンジバルの歴史的な心臓部であり、UNESCO世界遺産に登録されている旧市街だ。迷路のような細い路地、重厚な木彫りのドア、朽ちかけた宮殿、モスクの尖塔が織りなす風景は、まるでタイムスリップしたかのよう。空港から車で約15分というアクセスの良さも魅力的だ。
宿泊施設は、かつてのアラブ商人の邸宅やスルタンの宮殿を改装したブティックホテルが多い。中庭にプールがあるリヤド風の宿が人気で、1泊80-200USD程度。屋上テラスからインド洋のサンセットを眺められる宿を選ぶのがおすすめだ。バックパッカー向けのゲストハウスなら15-30USDでも見つかる。
ストーンタウンはビーチリゾートではなく、文化体験の拠点として考えよう。フォロダニ・ナイトマーケットでのシーフード、ザンジバル・スパイスツアーの出発地点、プリズン島へのボートツアーの発着点でもある。1-2泊するのが理想的。デメリットとしては、ビーチが近くにないこと、夜は暗い路地が多いこと、客引きがやや多いことが挙げられる。
ヌングウィ&ケンドワ(島の北端)
ヌングウィビーチとその隣のケンドワビーチは、ザンジバルで最も人気のあるビーチエリアだ。最大の特徴は潮の干満に関係なく泳げること。東海岸のビーチでは干潮時に海が数百メートルも引いてしまうが、北端のこの2つのビーチではほぼ常に泳げる水深がある。これは大きなアドバンテージだ。
ヌングウィはやや賑やかで、バーやレストランが並ぶ活気あるエリア。ケンドワはより静かで落ち着いた雰囲気。カップルやハネムーナーにはケンドワ、友人グループや若い旅行者にはヌングウィが向いている。宿泊費はヌングウィで50-150USD、ケンドワの高級リゾートでは200-500USDが目安。ストーンタウンからはタクシーで約1時間、25-30USD程度かかる。
ヌングウィ周辺はサンセットクルーズやスノーケリングツアーの拠点としても便利だ。ムネンバ環礁(Mnemba Atoll)へのスノーケリング/ダイビングツアーも、ヌングウィから出発するものが多い。ムネンバ環礁は透明度が高く、ウミガメやイルカに出会える確率が非常に高い。日本のダイビングスポットとは比べものにならないスケール感がある。
パジェ(島の南東部)
パジェは近年急速に人気が上がっているエリアで、特にカイトサーフィンの世界的メッカとして知られている。6月から10月の乾季には、世界中からカイトサーファーが集まる。初心者向けのレッスンも充実しており、3日間のコースで300-400USD程度。カイトサーフィンに興味がなくても、ボヘミアンな雰囲気とリラックスした空気が心地よい。
パジェの弱点は潮の干満の影響が大きいこと。干潮時には海が遠くまで引き、泳ぐのが難しくなる。しかし、その干潮時の風景も独特の美しさがある。海藻を収穫する地元の女性たちの姿は、ザンジバルの象徴的な光景の一つだ。宿泊費は30-120USDが中心で、北部より全体的にリーズナブル。ヨーロッパからの長期滞在者が多く、おしゃれなカフェやヨガスタジオも点在している。
ジャンビアニ(島の南東部・パジェの南)
ジャンビアニは観光開発がまだ控えめな漁村で、ザンジバルの素朴な暮らしを体験したい人に向いている。朝早く浜に出ると、木造のダウ船で漁に出る漁師たちの姿が見られる。地元の家庭料理を体験できるプログラムや、海藻ファームの見学なども人気がある。静かにのんびり過ごしたい日本人旅行者には、実は一番しっくりくるエリアかもしれない。宿泊費は20-80USDが目安で、コストパフォーマンスが最も高い。
エリア選びのまとめ
- 文化・歴史重視:ストーンタウンに2泊 + ビーチエリアに3泊
- ビーチリゾート重視:ヌングウィまたはケンドワをメインに、ストーンタウンは日帰り
- アクティブ派:パジェをメインに(カイトサーフィン、サイクリング)
- 静かに過ごしたい:ジャンビアニまたはケンドワ
- 予算重視:ジャンビアニまたはパジェ
ザンジバル旅行のベストシーズン
ザンジバルの気候は大きく分けて4つのシーズンがある。旅行の計画を立てる上で、時期の選択は非常に重要だ。
乾季(6月~10月):ベストシーズン
最も旅行に適した時期。気温は25-30度と快適で、湿度も比較的低い。雨はほとんど降らず、海の透明度も高い。特にダイビングやスノーケリングには最高のコンディション。カイトサーフィンも風が安定するこの時期がベスト。デメリットはハイシーズンのため宿泊費が上がること(通常の1.5-2倍)と、人気のホテルは早期予約が必須なこと。日本からの旅行者にとっては、7月下旬から8月がお盆休みと重なるので狙い目だが、この時期は世界中から旅行者が集まるため、早めの予約をすすめる。
小雨季(11月~12月)
短い雨季で、午後にスコールがあるが長くは続かない。気温は高め(28-33度)。旅行者が減り始めるため、宿泊費が下がり、ビーチも空いている。実は穴場のシーズンで、雨が降ってもすぐに止むことが多く、旅行を大きく妨げることは少ない。日本の年末年始休暇に合わせて訪問するなら、12月後半は天候が安定してくることが多い。
暑い乾季(1月~2月)
雨が少なく暑い時期。気温は30-35度に達し、湿度も高い。暑さに強い人なら問題ないが、日本の冬から直接来ると体がついていかないこともある。こまめな水分補給と日焼け対策は必須。海のコンディションは良好で、マリンアクティビティには適している。
大雨季(3月~5月)
ザンジバルのローシーズン。特に4月と5月は大量の雨が降り、道路が冠水することもある。一部のホテルやレストランは閉鎖する。旅行はおすすめしない。ただし、宿泊費は最も安くなるので、雨を覚悟の上でとにかく安く行きたいという人は検討してもよい。3月後半からは不安定になるため、3月上旬までに帰国するスケジュールが安全だ。
日本人旅行者へのアドバイス:理想的なのは6月中旬から7月、または9月から10月中旬。ハイシーズンの中でも比較的旅行者が少なく、宿泊費もピーク時より抑えられる。日本からの直行便はないため、ドバイ、イスタンブール、アディスアベバ、ナイロビなどを経由することになる。乗り継ぎを含めて18-24時間程度の移動を見込んでおこう。
ザンジバル旅程:3日~7日
ザンジバルでの滞在日数別に、おすすめの過ごし方を提案する。もちろん、すべてを詰め込む必要はない。むしろ、何もしない時間を楽しむのがザンジバル流だ。
3日間:エッセンシャル・ザンジバル
1日目:ストーンタウン探索
空港到着後、ストーンタウンへ移動(タクシーで約15分、10-15USD)。チェックイン後、旧市街を徒歩で散策。迷路のような路地を歩き、奴隷市場跡(聖公会大聖堂)、ハマムニ・ペルシャ浴場、スルタン宮殿博物館などの歴史的建造物を見学する。ガイド付きウォーキングツアー(15-25USD、2-3時間)を利用するのもよい。午後はザンジバル・スパイスツアーに参加(20-35USD、3-4時間)。クローブ、シナモン、バニラ、ナツメグなどのスパイスを五感で体験できる。夕方、フォロダニ・ガーデンのナイトマーケットへ。ザンジバルピザ(実はクレープに近い)、焼きロブスター、サトウキビジュースなどを楽しむ。屋台の相場は1品2-5USD。
2日目:ビーチ&マリンアクティビティ
午前中にストーンタウンからヌングウィへ移動。到着後、ヌングウィビーチでリラックス。午後はムネンバ環礁へのスノーケリングツアー(30-50USD、半日)に参加。透き通った海でウミガメと泳ぐ体験は一生の思い出になる。夕方はビーチバーでサンセットを堪能。ヌングウィのサンセットは島の西側に面しているため非常に美しい。
3日目:プリズン島&出発
ヌングウィからストーンタウンへ戻り、プリズン島へのボートツアー(往復20-30USD)。島には100歳を超えるアルダブラゾウガメがいて、直接触れ合うことができる。島でのスノーケリングも良好。午後、空港へ。
5日間:ゆったりザンジバル
3日間の旅程に加えて以下を追加:
4日目:Safari Blue(終日ツアー)
ザンジバルで最も人気のあるデイツアーの一つ。伝統的なダウ船に乗り、サンドバンク(干潮時に現れる砂州)でのランチ、マングローブの探索、スノーケリングを楽しむ。料金は75-90USDで、昼食(シーフードBBQ)と飲み物が含まれている。朝早い出発(7:00頃にホテルピックアップ)で、夕方17:00頃に戻る。体力的にはハードだが、満足度は非常に高い。前日は早めに寝ておこう。
5日目:ジョザニの森&パジェ
午前中にジョザニ・チュワカ・ベイ国立公園を訪問(入園料12USD)。ザンジバル固有種のレッドコロブスモンキーに出会える唯一の場所だ。彼らは人に慣れており、かなり近くで観察できる。マングローブの板根を歩くボードウォークも見応えがある。午後はパジェに移動し、ビーチでのんびり。干潮時の広大な干潟を歩くのも楽しい体験だ。
7日間:ザンジバル完全攻略
5日間の旅程に加えて以下を追加:
6日目:ジャンビアニ漁村体験&料理教室
早朝、地元の漁師と一緒にダウ船で漁に出る体験プログラム(15-25USD)がある。朝5:00出発と早いが、インド洋から昇る朝日を見ながらの漁は格別だ。昼前に戻り、午後はスワヒリ料理の料理教室(25-40USD)に参加。市場での食材購入から始まり、ピラウ(スパイスライス)、チャパティ、ココナッツカレーなどを作る。自分で作った料理を食べる夕食は格別。帰国後に日本で再現できるレシピをもらえることが多い。
7日目:自由行動&ストーンタウンの夜
最終日はあえて予定を入れず、お気に入りのエリアに戻るもよし、ホテルのプールサイドで読書するもよし。午前中にストーンタウンのダラジャニ市場を覗くのもおすすめだ。地元の人々の日常を垣間見ることができる。果物の種類の豊富さに驚くだろう。マンゴー、パッションフルーツ、ジャックフルーツ、スターフルーツなどが山積みになっている。お土産にはスパイスセット(5-10USD)、コーヒー、タンザナイトのジュエリー(要価格交渉)などがおすすめ。最後の夜はフォロダニのナイトマーケットで締めくくろう。
旅程のカスタマイズのヒント
- ダイビング好き:ヌングウィまたはケンドワに連泊し、ムネンバ環礁でのダイビングを2-3日入れる。PADI認定のダイブショップが多数あり、体験ダイビング1回80-100USD、ファンダイブ1回50-70USD程度
- カイトサーフィン:パジェに3泊以上。初心者レッスン3日間300-400USD。風の安定する6-10月がベスト
- 歴史・文化重視:ストーンタウンに3泊。スパイスツアー、奴隷貿易の歴史ツアー、プリズン島、地元のモスク訪問などを組み合わせる
- ハネムーン:ケンドワの高級リゾートに4-5泊。プライベートサンセットクルーズ(150-250USD/2名)、カップルスパ(80-150USD)を追加
レストラン&カフェガイド
ザンジバルの食は、その歴史と同様に多文化の融合だ。アラブ、インド、アフリカ、ヨーロッパの要素が混ざり合い、独自の食文化を形成している。ここでは、実際に訪れて良かったレストランとカフェを紹介する。
ストーンタウン
フォロダニ・ナイトマーケット:毎晩18:00頃からフォロダニ・ガーデンに屋台が並ぶ。焼きロブスター(8-15USD)、ザンジバルピザ(1-3USD)、タコの串焼き(2-4USD)、サトウキビジュース(0.5USD)など。値段は必ず先に確認すること。観光客価格を提示されることがあるので、複数の屋台で比較するのが賢い。地元の人が多い屋台を選ぶのがコツだ。衛生面は日本の基準からすると心配になるかもしれないが、しっかり火が通ったものを選べば問題ない。
Lukmaan Restaurant:地元の人に愛されるビュッフェスタイルの食堂。カレー、ピラウ、焼き魚、煮込み料理などが並び、好きなものを選んで皿に盛ってもらう。1食3-6USDで満腹になる。味は家庭的で優しく、日本人の口にも合いやすい。ランチタイム(12:00-14:00)がメニューが最も充実している。
Emerson Spice Tea House:ストーンタウンの歴史的建造物の屋上にあるレストラン。サンセットディナーが名物で、毎日メニューが変わる5コースのスワヒリ料理(35-50USD)。予約必須。屋上からのストーンタウンの眺めは圧巻で、モスクのミナレットとインド洋が一望できる。特別な夜にぴったりの場所だ。
Zanzibar Coffee House:ザンジバル産コーヒーを楽しめるカフェ。エスプレッソ2-3USD、カプチーノ3-4USD。屋上テラスがあり、朝食をゆっくり取るのに最適。パンケーキやフレンチトーストなど西洋風の朝食メニューも充実。Wi-Fiも安定している。
ヌングウィ&ケンドワ
Mama Mia Restaurant(ヌングウィ):イタリアンとシーフードが融合したレストラン。ビーチ沿いに位置し、波の音を聞きながら食事ができる。シーフードパスタ12-18USD、グリルフィッシュ15-25USD。量は多め。ピザも窯焼きで本格的。
Langi Langi Beach Bungalows Restaurant(ヌングウィ):宿泊客以外も利用できるレストラン。ビーチフロントのテーブルでの夕食は雰囲気抜群。シーフードプラッター(2名分35-50USD)が看板メニュー。ロブスター、エビ、魚、イカがたっぷり。予約を入れておくとビーチ最前列の席を確保できる。
パジェ&東海岸
The Rock:パジェの沖合にある岩の上に建つレストランで、ザンジバルで最も有名なレストランと言ってよい。干潮時は歩いて行けるが、満潮時はボートで渡る。このシチュエーションだけでも話のネタになる。料理はシーフードが中心で、1人30-50USD程度。予約は必須で、特にランチタイムは数日前から埋まることがある。インスタ映えする写真が撮れるのは満潮時。食事の質だけでなく、体験としての価値が高い。
Mr. Kahawa Coffee(パジェ):ローカルコーヒーショップで、ザンジバル式のスパイスコーヒーが味わえる。カルダモンとジンジャーが効いた独特の味わいで、1杯1-2USD。甘くて濃厚で、日本のコーヒーとはまったく違う体験。午前中に訪れると、マスターが淹れ方を教えてくれることもある。
食事の予算目安
- ローカル食堂:1食3-7USD
- 中級レストラン:1食12-25USD
- 高級レストラン:1食30-60USD
- カフェ(コーヒー+軽食):5-10USD
- ビール(Safari Lager):3-5USD
- フレッシュジュース:2-4USD
必食グルメ
ザンジバルを訪れたら、ぜひ試してほしい料理とドリンクを紹介する。スパイスアイランドの名にふさわしい、香り高い料理の数々は日本では味わえないものばかりだ。
絶対に食べるべき料理
ザンジバルピザ:名前はピザだが、実際は薄い生地に具材を包んで鉄板で焼いたもの。クレープとケサディーヤの間のような食べ物。具材はツナ、野菜、卵、チーズなどから選べる。甘いバージョン(ヌテラ+バナナ)もある。フォロダニのナイトマーケットで1-3USD。焼きたてアツアツを食べるのが最高。日本人的にはおやつ感覚で食べられる。
ピラウ(Pilau):スパイスをたっぷり使った炊き込みご飯。カルダモン、クローブ、シナモン、クミンなどで味付けされ、肉(チキンまたはビーフ)と一緒に炊かれる。日本のカレーピラフに通じる味わいがあり、日本人にはかなり馴染みやすい。地元食堂で2-4USD。
ビリヤニ(Biryani):インドからの影響を受けた米料理で、ピラウよりスパイスが強い。チキン、マトン、フィッシュなどのバリエーションがある。日本のインド料理店で食べるものとは一味違い、ザンジバル独自のアレンジが加えられている。ココナッツミルクが隠し味に使われていることが多い。
ウルジョ(Urojo/Zanzibar Mix):ストーンタウンの名物スープ。ターメリック色のスープに、レンズ豆のコロッケ(バジア)、ポテトフライ、茹で卵、マンゴーのアチャール(漬物)が入っている。酸味と辛味のバランスが絶妙で、一度食べるとクセになる。ダラジャニ市場の近くに専門の屋台がある。1杯1-2USD。
オクトパスカレー:ザンジバル周辺はタコの漁獲量が多く、タコ料理がポピュラー。ココナッツミルクベースのカレーで煮込んだタコはとても柔らかく、日本人にも食べやすい。地元食堂で5-8USD。
チャパティ:インドのチャパティと同じ無発酵のフラットブレッド。ザンジバルではやや厚めに作られ、カレーやシチューのお供として出てくる。焼きたてはバターの香りがして、それだけで美味しい。
飲み物
スパイスティー:ザンジバルのスパイスティーは、ジンジャー、カルダモン、シナモン、クローブなどを煮出して甘く味付けしたもの。日本のチャイに似ているが、スパイスの種類と強さが格段に上。街角のどこでも買えて、0.2-0.5USD。朝の一杯に最適。
フレッシュジュース:マンゴー、パッションフルーツ、パイナップル、シュガーケーン(サトウキビ)のジュースが1-3USDで楽しめる。特にパッションフルーツジュースは酸味と甘味のバランスが素晴らしい。日本では考えられない価格で、搾りたてのフレッシュジュースが飲める贅沢。
ダウニ(Dawa):ウォッカ、ライム、はちみつを混ぜたカクテルで、東アフリカで人気がある。名前はスワヒリ語で薬の意味。甘くて飲みやすいが、度数は高いので注意。ビーチバーで5-8USD。サンセットのお供に最適。
Safari Lager / Kilimanjaro Beer:タンザニアの代表的なビール。軽くてすっきりした味わいで、暑い気候によく合う。レストランで3-5USD、商店で1-2USD。
地元の人だけが知る秘密のコツ
ガイドブックには載っていない、実際にザンジバルで暮らす人々から教わったコツを共有する。これを知っているかどうかで、旅の快適さが大きく変わるはずだ。
値段交渉の極意
ザンジバルでは値段交渉が文化の一部だ。タクシー、市場、土産物店では最初に提示される価格は通常2-3倍に設定されている。交渉のコツは、まず相手の最初の提示額の半分以下を提示すること。そこから互いに歩み寄り、最終的には最初の提示額の50-70%で落ち着くことが多い。笑顔を忘れずに、楽しむ気持ちで交渉しよう。怒ったり、不機嫌になったりするのは逆効果だ。ちなみに、固定価格の店も増えてきており、値札がある場合は基本的にそのまま支払う。
スワヒリ語のひとことが効く
ザンジバルの公用語はスワヒリ語。英語も通じるが、スワヒリ語で挨拶するだけで地元の人の反応がまったく変わる。覚えておくべきフレーズ:Jambo(こんにちは)、Hakuna matata(問題ない)、Asante sana(どうもありがとう)、Pole pole(ゆっくりゆっくり - ザンジバルのライフスタイルを表す言葉)、Karibu(ようこそ)。タクシー交渉の前にJamboと笑顔で言うだけで、最初の提示額が下がることがある。
写真撮影のマナー
ザンジバルのムスリムの人々、特に女性を無断で撮影するのは大きなマナー違反だ。必ず許可を得てから撮影すること。子供たちは写真を撮られるのを喜ぶことが多いが、それでも近くにいる大人に一声かけるべきだ。ストーンタウンでは、建物や風景は自由に撮影できるが、モスクの内部は写真禁止のことが多い。
水と食の安全
水道水は飲まないこと。必ずペットボトルの水を買おう(0.5-1USD)。レストランで出される氷は、高級レストランではフィルターを通した水で作られているが、ローカル食堂では避けた方が無難。生野菜のサラダも、ローカル食堂では控えた方がよい。火の通った料理は基本的に安全。胃腸の弱い人は、念のため整腸剤を持参することをおすすめする。正露丸は現地では手に入らない。
潮の干満アプリを使う
ザンジバルの東海岸では潮の干満の差が非常に大きい。干潮時にはビーチから海まで数百メートルも歩く必要があることも。泳ぎたい時間帯に満潮になるよう、潮汐アプリ(Tide Chartなど)で事前に確認しておくと便利だ。ホテルのフロントでも潮汐表をもらえることが多い。
チップの習慣
ザンジバルではチップは義務ではないが、良いサービスを受けたら渡すのが一般的。レストランでは会計の10%程度、ホテルのポーターには1-2USD、ツアーガイドには5-10USD/日が目安。日本にはチップの習慣がないので戸惑うかもしれないが、ここでは感謝の気持ちを形にする文化があると理解しよう。
蚊対策は本気で
ザンジバルはマラリアのリスクがある地域だ。日本出発前にマラリア予防薬(マラロンなど)について医師に相談しよう。DEET含有の虫除けスプレーは現地でも買えるが、日本から持参する方が安心。長袖・長ズボンを夕方以降は着用し、宿泊先では蚊帳があることを確認すること。多くのホテルでは蚊帳が設置されているが、バジェットホテルでは自分で用意する必要があることも。蚊取り線香(コイルタイプ)は現地の商店で1USD程度で購入可能。
交通・通信ガイド
ザンジバル島内の移動手段と通信環境について、実用的な情報をまとめる。
島内の移動手段
タクシー:最も便利だが最も高い移動手段。メーターは存在しないので、乗車前に必ず料金を交渉すること。目安として、ストーンタウンから空港10-15USD、ストーンタウンからヌングウィ25-35USD、ストーンタウンからパジェ25-35USD、ストーンタウンからジャンビアニ30-40USD。ホテルで手配してもらうと若干高くなるが、信頼性は上がる。Uberなどの配車アプリは機能していない。
ダラダラ(dala-dala):ザンジバルのローカルバス。ハイエースバンを改造したもので、地元の人々の足。料金は非常に安く(0.5-2USD)、島内のほとんどの場所に行ける。ただし、時刻表はなく、満席になったら出発するシステム。冷房はなく、荷物が多いと大変。旅の冒険として一度は体験してみるのもよいが、快適とは言い難い。スリに注意し、貴重品は体の前に持とう。ストーンタウンのダラジャニ市場付近が主要な発着ターミナルになっている。
レンタルバイク(スクーター):島を自由に探索するなら最も効率的。1日15-25USDでレンタルできる。国際免許証が必要。ただし、道路状況は良くなく、特に田舎道は未舗装。ヘルメットは必ず着用すること(法律で義務)。牛やヤギが突然道路に出てくることがあるので、速度は控えめに。燃料はリッター1-1.5USD程度。ストーンタウンの旧市街内は道が狭すぎてバイクでの移動は不向き。
レンタカー:右ハンドル・左側通行(日本と同じ!)で、日本人には運転しやすい面もある。ただし、道路の穴ぼこ、予測不能な他の運転者、夜間の照明不足などを考えると、自分で運転するよりドライバー付きで借りる方が安全。ドライバー付きで1日50-80USD。ガソリン代別。
ボート:ストーンタウンからプリズン島(往復20-30USD)、本土のダルエスサラームへのフェリー(片道35-50USD、所要1.5-2時間)など。フェリーはAzam Marineが最も信頼できる。船酔いしやすい人は酔い止めを持参すること。
SIMカードとインターネット
空港到着時にSIMカードを購入するのがおすすめ。Vodacom(ボーダコム)とAirtel(エアテル)が主要キャリアで、パスポートの提示だけで購入可能。データ通信プランは2GBで約3-5USD、10GBで約8-12USD。ストーンタウンや主要ビーチエリアでは4G回線がそこそこ使えるが、速度は日本の基準からすると遅い。動画のストリーミングは厳しいが、SNSやメッセージアプリの使用には問題ない。
多くのホテルやカフェでWi-Fiが提供されているが、速度は期待しないこと。リモートワークをしたい場合は、ストーンタウンの一部のカフェが比較的安定したWi-Fiを提供している。Zanzibar Coffee Houseはそのうちの一つだ。ただし、ザンジバルでPCに向かって仕事をするのはもったいない気もする。
電源と変換プラグ
ザンジバルではイギリス式のBFタイプ(三本足)のコンセントが使われている。日本のAタイプは使えないので、変換プラグが必要。空港や大きな商店で買えるが(2-3USD)、日本から持参する方が確実。電圧は230Vで、日本の100Vとは異なる。最近のスマホやPCの充電器はほとんどが100-240V対応(ユニバーサル)なので変圧器は不要だが、念のため充電器の対応電圧を確認しておこう。ドライヤーやヘアアイロンなど、100V専用の家電は使えないか壊れる可能性がある。停電は珍しくないので、モバイルバッテリーは必須。
まとめ:ザンジバルはこんな人向け
ザンジバルは万人向けの旅先ではないが、ハマる人にはとことんハマる場所だ。日本からのアクセスは決して楽ではなく、インフラも発展途上。でも、だからこそ味わえるものがある。
ザンジバルをおすすめしたい人:東南アジアのビーチには飽きた人。ヨーロッパの観光地の混雑に疲れた人。異文化との出会いにワクワクする人。スパイスと海の幸を愛する人。何もしない贅沢を知っている人。新しい冒険を求めるカップル。そして、旅に物語を求める人。
ザンジバルが向かない人:清潔さや快適さを最優先する人。すべてが予定通りに進まないとストレスを感じる人。虫が極端に苦手な人。インターネット接続が常に必要な人。
ザンジバルのことわざにPole pole(ポレポレ)という言葉がある。ゆっくりゆっくり、という意味だ。この島では、時計を外して、ポレポレの精神で過ごすのが一番の贅沢。日本の日常から最も遠い場所で、自分のペースを取り戻す旅。それがザンジバルだ。
