トラート
トラート2026:旅行前に知っておくべきこと
タイ東部、カンボジア国境に接するトラート県は、バンコクやプーケットの喧騒とは無縁の「本物のタイ」が残る場所です。日本人観光客にはまだほとんど知られていませんが、欧米のバックパッカーやタイ人リピーターの間では「最後の楽園」として密かに人気を集めています。日本からの直行便はないものの、バンコク経由で半日あればたどり着ける距離にあり、週末を含めた4〜5日の休暇でも十分に満喫できます。
トラート最大の魅力は、手つかずの自然と穏やかな時間の流れです。タイ湾に浮かぶ52の島々、250年の歴史を持つ漁村バンナムチャオ、世界に5つしかない黒砂ビーチであるサディウムビーチ、そして夜市で30バーツ(約130円)から楽しめる絶品シーフード。観光地化が進みすぎていないからこそ、地元の人々との温かい交流が自然に生まれます。タイのリゾート地にありがちな客引きやぼったくりもほとんどなく、安心して歩き回ることができます。
日本人旅行者にとって嬉しいのは、治安の良さと物価の安さです。バンコクからバスで約5時間(片道240バーツ、約1,040円)、バンコクエアウェイズなら1時間でアクセスでき、3日間の弾丸旅行から7日間のゆったり滞在まで、柔軟なプランが組めます。タイは左側通行で日本と同じなので、レンタカーでの移動も違和感が少ないのもポイントです。ただし、雨季(7月〜10月)は一部の島へのフェリーが運休になるため、訪問時期の選択が重要です。この記事では、2026年の最新情報をもとに、トラートを最大限楽しむための実践的なガイドをお届けします。
エリアガイド:どこに泊まるか
トラートの宿泊エリアは大きく6つに分かれます。それぞれ雰囲気も価格帯も異なるため、旅のスタイルに合わせて選びましょう。日本人旅行者が気になる清潔さ、Wi-Fi環境、カード決済の可否についても併せて紹介します。
1. トラート市街地
県庁所在地であるトラート市街地は、島への玄関口として1〜2泊するのに最適です。ゲストハウスは1泊300〜600バーツ(約1,300〜2,600円)、中級ホテルでも800〜1,500バーツ(約3,500〜6,500円)程度。夜市やローカル食堂が徒歩圏内にあり、食事には困りません。JCBカードは一部のホテルで使えますが、市場や小規模店では現金が基本です。コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート)は主要通り沿いに点在しており、ATMも複数あります。清潔なビジネスホテルタイプの宿も増えてきているため、日本人旅行者でも安心して滞在できます。バスターミナルや空港からのアクセスも良く、到着が遅い時間になった場合でも、市街地であればソンテウやバイクタクシーで容易に移動できます。市場では英語がほとんど通じませんが、電卓やスマートフォンの翻訳アプリを使えば問題なく買い物ができます。
2. コーチャン島(チャン島)西海岸
トラート県最大の島であるコーチャンの西海岸は、最も開発が進んだエリアです。ホワイトサンドビーチ周辺にはリゾートホテルが集中しており、1泊2,000〜8,000バーツ(約8,700〜35,000円)が相場です。4つ星以上のリゾートではJCBカードが使える場合が多く、日本語対応スタッフがいるホテルも稀にあります。ビーチ沿いにはレストラン、マッサージ店、ダイビングショップが並び、リゾート気分を満喫できます。コンビニや薬局もビーチ沿いの通りにあるため、日用品の調達に困ることはありません。ただし、ハイシーズン(12月〜2月)は予約が埋まりやすいため、早めの手配を推奨します。日本の旅行サイト(楽天トラベル、Booking.com日本語版)からも予約可能ですが、現地の直接予約のほうが10〜20%安くなることがあります。
3. クロンプラオビーチエリア
ホワイトサンドビーチの南に位置するクロンプラオは、静けさとアクセスの良さのバランスが取れたエリアです。中級リゾートが多く、1泊1,500〜5,000バーツ(約6,500〜22,000円)。マングローブの川が流れ込む独特の景観が特徴で、カヤックやSUPを楽しむ拠点としても人気があります。ファミリーや夫婦での滞在に特におすすめです。ビーチの清掃も行き届いており、日本人旅行者が求める清潔さの基準を満たしているホテルが多いのもポイントです。朝はビーチを散歩し、午後はプールサイドで読書、夕方はマングローブの夕焼けを眺めるという贅沢な過ごし方ができます。レストランも観光地価格とローカル価格の中間で、コストパフォーマンスに優れています。
4. ロンリービーチエリア
その名の通り、かつては「孤独なビーチ」でしたが、現在はバックパッカーの聖地として知られています。バンガロー型の宿が500〜1,200バーツ(約2,200〜5,200円)で泊まれ、夜はビーチバーで音楽が流れます。若者向けの賑やかな雰囲気で、一人旅の出会いの場としても機能しています。タイ料理教室やヨガクラスを開催している宿もあり、滞在型の旅行者に人気です。ただし、急な坂道が多いため、スーツケースでの移動はやや大変です。リュックサック派の旅行者に向いています。コーチャン島の他のビーチと比べて夜の娯楽が充実しているのが特徴で、ファイヤーダンスショーやライブ演奏を楽しめる夜もあります。
5. バンバオ桟橋エリア
コーチャン島の南端に位置するバンバオは、水上集落がそのまま残る独特のエリアです。桟橋沿いにシーフードレストランや土産物店が並び、日帰りシュノーケリングツアーの出発点でもあります。宿泊施設は少なめですが、静かな環境を好む旅行者には最適です。1泊800〜2,500バーツ(約3,500〜11,000円)が目安で、海の上に建つバンガローに泊まるという貴重な体験ができます。朝は漁師たちの出港を眺め、夕方は桟橋の先端から広がるオレンジ色の夕焼けを堪能できます。水上集落ならではの波の音を聞きながら眠りにつく体験は、他のエリアでは味わえません。
6. 離島エリア(コーマック、コークッド、コーワイ)
さらなる静寂を求めるなら、コーチャンより小さな離島がおすすめです。コーマックは家族向けの穏やかな島で、自転車で一周できるサイズ。車の通行がほとんどなく、のんびりとした島時間を過ごせます。コークッドはタイで最も美しい島の一つとされ、透明度の高い海と高級リゾートが魅力です。ハネムーンや記念日旅行に最適で、プライベートプール付きヴィラも選べます。コーワイは電気もWi-Fiも限られた究極の「デジタルデトックス」の島で、スマートフォンから離れた本来の休暇を取り戻せます。離島のリゾートは1泊3,000〜15,000バーツ(約13,000〜65,000円)と幅広く、事前予約が必須です。フェリーの運航スケジュールに左右されるため、余裕を持ったプランニングが重要です。特にコークッドは人気が高まっているため、ハイシーズンは2〜3ヶ月前の予約をおすすめします。
ベストシーズン
トラートの気候は大きく3つのシーズンに分かれます。訪問時期によって体験できることが大きく変わるため、目的に合わせた計画が欠かせません。
ベストシーズン:11月〜2月(乾季)
最も過ごしやすく、観光に最適な時期です。気温は25〜32度、湿度も比較的低く、日本の初夏のような爽やかさがあります。海の透明度が最も高くなり、シュノーケリングやダイビングの条件が最良です。コーラン シュノーケリングで色とりどりの珊瑚と熱帯魚を観察するなら、この時期が断然おすすめです。水中の視界は15〜25メートルに達し、ウミガメやエイに遭遇することもあります。ただし、12月後半〜1月前半はタイの年末年始休暇と重なり、タイ人観光客で混雑します。特にコーチャン島のリゾートは料金が通常の1.5〜2倍になることもあるため、11月か2月を狙うのが賢い選択です。この時期の夜は海風が心地よく、エアコンなしでも快適に眠れる日が多いです。
ショルダーシーズン:3月〜6月
3月〜4月は気温が35度を超える日もあり、タイで最も暑い時期です。しかし、観光客が減るため宿泊料金は30〜50%安くなり、予算重視の旅行者には魅力的です。暑さ対策として、午前中と夕方に観光し、昼間はプールやエアコンの効いたカフェで過ごすのが現地の知恵です。5月〜6月は雨季の始まりですが、まだ降雨量は少なく、午後にスコールが1〜2時間降る程度。朝と夕方は晴れることが多く、観光自体は十分可能です。スコールの後は気温が5〜8度下がり、むしろ快適に感じることもあります。この時期のクロンプルー滝は水量が増して迫力を増し、乾季とは異なる美しさを見せます。
避けるべき時期:7月〜10月(雨季ピーク)
本格的な雨季で、1日中雨が降り続く日もあります。海は荒れ、コーワイやコーランへのフェリーは運休になることが多く、離島観光は事実上不可能になります。コーチャン島の一部リゾートやレストランも閉鎖されます。道路が冠水することもあり、移動に支障が出る場合があります。ただし、トラート市街地の観光は可能で、フルーツの旬(マンゴスチン、ドリアン、ランブータン)と重なるため、果物好きにはむしろ魅力的な時期かもしれません。宿泊料金は最安値となり、乾季の半額以下で泊まれることもあります。雨季ならではの緑が深まった景色は写真映えすることもあり、あえてこの時期を選ぶカメラマンもいます。
日本人旅行者へのアドバイス:日本のゴールデンウィーク(4月末〜5月初旬)は暑季の終わりにあたり、まだ雨は少なめです。年末年始よりも空いており、料金も手頃なため、実は穴場の時期と言えます。ただし、日差しが非常に強いため、SPF50以上の日焼け止め、帽子、サングラスは必携です。日本で普段使っている虫除けスプレーも持参することをおすすめします。タイの蚊は日本のものより積極的で、特に夕方から夜にかけてビーチや森林近くで活動が活発になります。
モデルコース:3日間・5日間・7日間
3日間コース:コーチャン島ハイライト
1日目:到着とビーチ
- バンコクから早朝バス(5:00発、エカマイバスターミナル)または朝のフライト(バンコクエアウェイズ7:30発)でトラート着
- トラート市内からコーチャン島行きフェリー乗り場へソンテウ(乗合トラック)で移動(約30分、80バーツ/約350円)
- フェリーでコーチャン島へ(約30分、片道80バーツ/約350円)。フェリーのデッキからはタイ湾の島々のパノラマが楽しめます
- 午後はホワイトサンドビーチでリラックス。白い砂浜と透き通った海水は日本のビーチとは別次元の美しさです
- 夕暮れ時にビーチ沿いのレストランでシーフードディナー。夕日を眺めながらのエビのグリルとシンハービールは格別
2日目:島内探索
- 午前中にクロンプルー滝へトレッキング(入園料200バーツ/約870円)。整備された遊歩道を約20分歩くと、高さ約20メートルの滝が現れます。滝壺での水浴びは暑い日の最高の体験です。タオルと水着を忘れずに
- 昼食はクロンプラオビーチのローカル食堂で。パッタイやカオパッ(チャーハン)が60〜100バーツ(約260〜430円)で食べられます
- 午後はカイバエ展望台からの絶景を堪能。ここからの夕日は島で最も美しいと言われており、写真スポットとしても有名です。展望台までの道はやや急ですが、15分程度で到達できます
- サラックコック村でマングローブカヤック体験(約500バーツ/約2,200円、1.5時間)。静かな水路をカヤックで進みながら、カニクイザルやオオトカゲなどの野生動物を間近に観察できます
3日目:南部と出発
- 午前中にバンバオ桟橋を散策。水上集落の雰囲気を味わい、新鮮なシーフードの朝食を。桟橋は約1キロメートルの長さがあり、先端まで歩くと360度の海の景色が広がります
- 時間があればロンリービーチに立ち寄り、カフェでゆっくりコーヒーを飲みながら旅の余韻に浸る
- 午後のフェリーとバスでバンコクへ帰還。帰りのバスは夕方発が多く、バンコク到着は22時頃になります
5日間コース:コーチャン島 + 離島
1日目〜3日目:上記3日間コースと同様。ただし3日目はコーチャン島に滞在し、午前中にダイビング体験(体験ダイビング2,500バーツ/約10,900円、ライセンス保持者1,800バーツ/約7,800円)を追加
4日目:コーマック島日帰りまたは1泊
- バンバオ桟橋からスピードボートでコーマック島へ(約45分、片道400バーツ/約1,700円)。波が穏やかな日は船酔いの心配はほぼありません
- レンタサイクルで島を一周(1日150バーツ/約650円)。島の周囲は約27kmで、平坦な道が続くため快適。途中に点在するビーチで泳いだり、地元のカフェで休憩したりしながら、のんびり3〜4時間かけて回るのが理想的です
- 透明度抜群のビーチでシュノーケリング。機材レンタルは200バーツ(約870円)程度。浅瀬でもカラフルな魚が見られるので、泳ぎが得意でなくても楽しめます
- 夕食は島のレストランで、取れたてのイカやエビの炭火焼きを。コーマック島のシーフードはコーチャン島より安く、味も遜色ありません
5日目:帰路
- 午前中にコーマック島からフェリーでトラート本土へ(所要約1.5時間)
- トラート市内の夜市で最後の買い物とグルメを楽しんでからバンコクへ。ドライマンゴーやタイハーブの石鹸など、軽くてかさばらないお土産がおすすめです
7日間コース:トラート完全制覇
1日目:トラート市街地
- 到着後、トラート市内を散策。古い木造商店街、地元の市場、仏教寺院を巡る。トラートの街並みはバンコクのような近代的な高層ビルはなく、タイの地方都市のありのままの姿を見ることができます
- 夜市でタイ東部のローカルフードを堪能(予算200〜400バーツ/約870〜1,700円で満腹)。ここでしか食べられない郷土料理もあるので、気になるものは片端から試してみましょう
2日目:バンナムチャオとサディウム黒砂ビーチ
- レンタカーまたはソンテウでバンナムチャオ漁村へ(約40分)。250年の歴史を持つこの村では、伝統的な漁業と暮らしを間近に見られます。木造の高床式住居が水路沿いに並ぶ風景は、タイの原風景そのものです
- 午後はサディウム黒砂ビーチへ。世界に5つしかない黒砂ビーチの一つで、ミネラル豊富な砂が肌に良いと言われています。黒い砂と青い海のコントラストは写真映え抜群です
- 地元の漁師から直接買った魚介類を浜辺で焼いてもらう体験も可能。漁師との交渉は身振り手振りで十分通じます
3日目〜4日目:コーチャン島
- ムーコーチャン国立公園内のトレッキングコースを歩く。熱帯雨林の中を進むコースで、野生のサルや色鮮やかな鳥に出会えます
- ダイビングまたはシュノーケリングツアーに参加(半日2,000〜3,500バーツ/約8,700〜15,200円)。日本語ガイド付きのツアーはありませんが、英語での簡単なブリーフィングで十分参加可能です
- コーラン シュノーケリングは、この地域で最も美しい珊瑚礁と言われるポイント。ボートで約40分の場所にあり、透明度は20メートル以上
- 各ビーチを巡り、お気に入りの場所を見つける。ビーチ間の移動にはソンテウ(50〜100バーツ)が便利です
5日目〜6日目:コークッド島
- コーチャンからスピードボートでコークッド島へ(約1.5時間、片道600バーツ/約2,600円)
- タイで最も透明度の高い海の一つで泳ぐ。クロンチャオ滝は淡水プールのような天然の水遊び場で、子供連れにも安全です
- 漁村バンアオサラッドで新鮮なシーフードランチ。ここでは網から揚がったばかりの魚を目の前で調理してくれます
- 夜は満天の星空を眺めながらビーチでのんびり。光害がほとんどないため、天の川が肉眼で見えることも
7日目:帰路
- コークッドからフェリーでトラート本土へ(約2.5時間)
- 時間があればトラート市内でお土産購入。ドライフルーツやタイハーブ製品が人気。トラート産のドリアンチップスは日本へのお土産に喜ばれます
- バンコクへ移動。飛行機なら夕方のフライトで19時前にはバンコク到着
予算目安(7日間、中級クラス):宿泊35,000〜50,000円、食事15,000〜20,000円、交通10,000〜15,000円、アクティビティ10,000〜15,000円。合計約70,000〜100,000円(航空券除く)。バンコクからの国内線往復を含めても12〜15万円程度で収まります。日本国内の沖縄旅行と同等かそれ以下の予算で、より異国情緒あふれる体験ができるのがトラートの魅力です。なお、タイでは基本的にチップの習慣がありますが、ローカル食堂ではチップは不要です。中級以上のレストランでは食事代の10%程度、マッサージでは50〜100バーツが目安です。ホテルのベッドメイキングには20〜50バーツを枕元に置いておくのがマナーです。
グルメガイド:レストラン
トラートの食文化は、新鮮なシーフードとタイ東部独自の味付けが特徴です。バンコクのレストランと比較して価格は2分の1から3分の1程度で、質は引けを取りません。日本のレストランのようなきめ細かいサービスは期待できませんが、料理の味と新鮮さでは感動すること間違いなしです。以下、エリア別におすすめのレストランを紹介します。
トラート市街地
トラート夜市:毎日17時〜22時頃まで開催される、トラート最大のフードスポットです。シーフードの串焼き(20バーツ/約90円〜)、パッタイ(40バーツ/約170円)、マンゴーもち米(50バーツ/約220円)など、30バーツ前後から本格的なタイ料理が楽しめます。日本の屋台文化に慣れた方なら、衛生面もそれほど心配する必要はありませんが、生ものは避けたほうが無難です。氷入りの飲み物は工場製の氷を使っている店がほとんどで、基本的に問題ありません。屋台の座席はプラスチック椅子が基本ですが、ウェットティッシュを持参すればテーブルを拭いてから座れるので安心です。人気の屋台には行列ができていることが多いので、タイ人が並んでいる店を選ぶのが間違いありません。
クーン・メー・シーフード:地元の人で賑わう大型シーフードレストラン。蟹のカレー炒め(プーパッポンカリー)が絶品で、200バーツ(約870円)前後。エビの塩焼き、イカのガーリック炒めなど、何を頼んでもハズレがありません。2人で満腹に食べて800〜1,200バーツ(約3,500〜5,200円)程度。英語メニューあり。注文時に写真付きメニューを指差せば簡単です。エアコン席とオープンエア席があり、日本人旅行者にはエアコン席が快適でしょう。
コーチャン島
バンバオ桟橋のシーフードレストラン群:バンバオ桟橋沿いには10軒以上のシーフードレストランが並んでいます。水上に建てられたテラス席で、水槽から直接選んだ魚介類を調理してもらうスタイル。ロブスターやカニは時価ですが、エビや魚の料理は150〜350バーツ(約650〜1,500円)程度。日本のレストランと比較すると驚くほど安価です。調理法はグリル、蒸し、炒めなどから選べるので、「グリル、プリーズ」のように伝えれば好みの調理法で仕上げてくれます。食事をしながら足元を泳ぐ魚を眺められるのも、水上レストランならではの魅力です。
ホワイトサンドビーチ沿いのレストラン:ビーチフロントのレストランは観光地価格で、市街地の1.5〜2倍ですが、それでも日本の居酒屋以下の価格です。ピザやパスタなどの洋食メニューも充実しているため、タイ料理に飽きた場合にも対応できます。一部の高級レストランではJCBカードが使えますが、VISAやMastercardが確実です。ビーチに面した席ではサンセットを眺めながらのディナーが楽しめ、特にカクテルと一緒にいただくシーフードプラッターは雰囲気満点です。
サラックコック村のローカル食堂:マングローブの森に囲まれた漁村の食堂では、その日の朝に獲れた蟹やエビを使った料理が格安で食べられます。観光客向けではないため英語メニューはありませんが、指差しで注文可能。ソフトシェルクラブの炒め物は一皿120バーツ(約520円)程度で、島のレストランの半額以下です。地元の人々が家族連れで訪れる場所なので、安心感があります。
離島エリア
コーマック島やコークッド島では、リゾート内のレストランが中心となります。料金はコーチャン島より若干高めですが、食材の新鮮さは折り紙付きです。特にコークッドのバンアオサラッド集落にある漁師のレストランでは、網から揚がったばかりの魚を刺身スタイルで出してくれることもあり、日本人旅行者にも好評です。コーマック島では、ビーチ沿いの小さな食堂で手頃な価格のタイ料理を楽しめます。コーマックのサンセットビーチ付近には、欧米人経営のイタリアンやベーカリーもあり、洋食が恋しくなった時の選択肢もあります。どの離島でも、夕食時にはビーチにテーブルを出して、波の音をBGMに食事ができる演出をしてくれるレストランがあります。キャンドルライトディナーを予約できるリゾートも多く、特別な日の食事にも対応しています。離島では食材の輸送コストが加算されるため、同じ料理でもコーチャン島より20〜30%高くなることを念頭に置いてください。
必食グルメ
トラートを訪れたら必ず食べるべき料理をリストアップしました。どれもこの地域ならではの味わいで、バンコクでは体験できないものばかりです。タイ東部は海に面しているため、シーフードの質と鮮度は国内でもトップクラス。漁港から食卓までの距離が短いからこそ実現できる味があります。日本人の繊細な味覚にも十分応えてくれるラインナップです。
プーパッポンカリー(蟹のカレー炒め):トラート産のワタリガニを使ったこの料理は、バンコクの有名店ソンブーンより新鮮で安い。ふわふわの卵とスパイシーなカレーソースが絡み合い、ご飯が止まらなくなります。殻ごと豪快にかぶりつくのが現地流です。一皿180〜300バーツ(約780〜1,300円)。
クンオップウンセン(海老の春雨蒸し):土鍋で蒸し焼きにされた大エビと春雨が、にんにくと胡椒の効いたソースで味付けされています。テーブルに届いた瞬間の香りが食欲をそそります。日本の土鍋料理に通じる温かみのある一品です。150〜250バーツ(約650〜1,100円)。
プラーヌンマナオ(魚のライム蒸し):新鮮な白身魚をライム、唐辛子、にんにくのソースで蒸した料理。辛さの中にライムの爽やかさがあり、日本人の味覚にも合います。辛さ控えめのリクエストも可能です('マイペッ'と伝えてください)。200〜350バーツ(約870〜1,500円)。
ソムタム・プーマー(蟹入り青パパイヤサラダ):通常のソムタムにトラート産の生蟹を加えたバージョン。かなり辛いので、初めての方は唐辛子少なめを頼みましょう('ペッニッノイ')。タイ料理の辛さに慣れていない日本人旅行者は、まず唐辛子1本(プリッヌンメッ)から試すのが安全です。50〜80バーツ(約220〜350円)。
カオチェー(冷やし飯):ジャスミンライスを花の香りをつけた冷水に浸して食べる、タイ東部の伝統料理。日本の冷やし茶漬けを彷彿とさせる一品で、暑い日の昼食に最適です。甘味や塩味の様々な副菜と一緒にいただきます。レストランでは100〜180バーツ(約430〜780円)。4月のソンクラーン時期に特に人気です。
トロピカルフルーツ:トラートはタイ有数のフルーツ産地です。マンゴスチン(5月〜7月が旬、1kg30〜50バーツ/約130〜220円)は「果物の女王」と呼ばれ、白い果肉の甘さと微かな酸味のバランスが絶妙です。ドリアン(4月〜6月、1kg100〜200バーツ/約430〜870円)は好き嫌いが分かれますが、産地で食べる新鮮なドリアンは臭みが少なく、クリーミーな味わいで初心者にも挑戦しやすいです。ランブータン(5月〜8月、1kg20〜40バーツ/約90〜170円)はライチに似た爽やかな甘さ。市場で山積みになったフルーツを買い食いするのは、トラートならではの楽しみです。
ナムプリック・プラートゥー(サバのディップ):焼きサバをほぐしてペースト状にし、唐辛子やライムと合わせた伝統的なディップ。生野菜につけて食べるのが現地流です。家庭的な食堂でよく出される一品で、40〜60バーツ(約170〜260円)程度。日本の味噌に似た旨味があり、親しみやすい味わいです。
ホイトート(牡蠣のお好み焼き):小粒の牡蠣を卵と片栗粉の生地で焼き上げた、タイ東部の屋台定番メニュー。外はカリカリ、中はもちもちの食感で、もやしとニラが添えられます。甘辛いチリソースをつけて食べるのが正統派。夜市で60〜100バーツ(約260〜430円)。日本のお好み焼きや韓国のチヂミに似た感覚で、日本人旅行者にも馴染みやすい一品です。焼きたてを提供する屋台を選ぶのがポイントで、作り置きのものは食感が全く異なります。
ゲーンソム(酸っぱいカレー):ココナッツミルクを使わない、さっぱりとした酸味のあるカレーで、タマリンドの酸味と唐辛子の辛さが特徴です。トラートでは新鮮な海老やイカを使ったバージョンが一般的で、暑い日でも食欲をそそる爽やかな味わい。日本のお味噌汁のようにご飯と一緒にいただきます。80〜150バーツ(約350〜650円)。地元の食堂では必ずメニューにある定番料理です。
地元の人だけが知る秘密
ガイドブックには載っていない、地元民や長期滞在者だけが知るトラートの隠れた魅力を紹介します。これらの情報は、観光局のパンフレットではなく、実際に現地で暮らす人々からの口コミに基づいています。
早朝の漁港セリ(5:00〜6:30):トラート市内の漁港では、毎朝5時頃から漁船が戻り、その場でセリが行われます。観光客が来ることはまずありませんが、見学は自由です。新鮮な魚介類を漁師から直接買うこともでき、市場価格の半額以下。買った魚を近くの食堂に持ち込めば、調理してくれます(調理代50〜100バーツ)。日本の築地や豊洲の雰囲気が好きな方には堪りません。早起きする価値は十分にあります。漁師たちの掛け声と、水揚げされたばかりの魚介類の活きの良さは、市場とは全く異なる迫力があります。
バンナムチャオ村の蛍ツアー:250年の歴史を持つバンナムチャオ漁村では、夜にマングローブの水路をボートで巡る蛍観賞ツアーが行われています。数千匹の蛍がマングローブの木をイルミネーションのように照らす光景は圧巻です。日本では絶滅危惧種として保護されている蛍が、ここではまだ自然のままの姿で群生しています。料金は一人200〜300バーツ(約870〜1,300円)。村の観光案内所で予約可能ですが、乾季限定(11月〜3月頃)のため注意してください。ボートは静かに進み、ガイドが懐中電灯を消すと、まるで宇宙空間に浮かんでいるような錯覚に陥ります。
コーチャン東海岸の秘密ビーチ:観光客の99%が西海岸に集中するため、東海岸はほぼ手つかずの状態です。特にロングビーチ(タンマヨム方面)は、週末でも人影がまばらで、プライベートビーチのような贅沢を味わえます。アクセスにはバイクのレンタルが必要(1日200〜300バーツ/約870〜1,300円)ですが、国際免許証の提示を求められることがあります。東海岸の道路は西海岸ほど整備されていませんが、それがかえって冒険心をくすぐります。
満月の夜のコーワイ島:小さなコーワイ島では、満月の夜にプランクトンが発光する現象(夜光虫)が見られることがあります。波打ち際が青白く光る幻想的な光景で、パンガン島のフルムーンパーティとは対照的な静寂の中で自然の神秘に触れられます。この現象は毎回必ず見られるわけではありませんが、乾季の満月前後が最も確率が高いと言われています。
地元のタイ式マッサージ:トラート市街地の路地裏には、観光客向けではない地元の人が通うマッサージ店があります。1時間150〜200バーツ(約650〜870円)で本格的なタイ式マッサージが受けられ、コーチャン島の観光地マッサージ店(300〜500バーツ)の半額以下です。技術レベルは高く、むしろ島のスパより上手な施術者がいることも珍しくありません。日本のマッサージと比べると力加減が強めなので、痛い場合は遠慮なく「バオバオ(軽く)」と伝えましょう。
雨季のドリアン農園訪問:トラートはタイ有数のドリアン産地で、5月〜6月には農園訪問が可能です。木から直接もいだドリアンを食べる体験は、市場で買うものとは全く異なる感動があります。農園によっては無料で試食させてくれることも。トラート市内のツアーデスクで手配できます。ドリアンの品種による味の違いを教えてもらえるガイド付きツアー(500バーツ/約2,200円程度)もあります。
コーチャン島の隠れ家カフェ:島の内陸部、主要道路から脇道に入った場所に、タイ人オーナーが営む小さなカフェが数軒あります。地元産のコーヒー豆を使ったドリップコーヒーを、熱帯の庭園を眺めながら楽しむ贅沢な時間。観光客向けのビーチカフェとは異なり、静かで落ち着いた雰囲気です。コーヒー一杯60〜80バーツ(約260〜350円)。場所はGoogleマップに載っていないことも多いので、ホテルのスタッフや地元の人に尋ねてみてください。タイ語で「ラーンカフェ・テーナイ・ディー(おすすめのカフェはどこですか)」と聞くと、喜んで教えてくれます。
トラート宝石市場:トラートはかつてルビーとサファイアの産地として知られており、現在も小規模な宝石市場が残っています。市街地のボーライ地区では、週末に宝石の取引が行われ、見学することができます。購入する場合は品質の見極めが難しいため、あくまで見学目的で訪れるのが無難ですが、タイの宝石文化に触れる貴重な機会です。
交通・通信
バンコクからトラートへのアクセス
バス:バンコク東バスターミナル(エカマイ)から毎日複数便が運行。所要約5時間、料金240〜300バーツ(約1,040〜1,300円)。VIPバス(2+1列シート)は400バーツ(約1,700円)前後で、リクライニングが深くトイレ付き。長距離バスに不安がある方はVIPバスを選ぶと快適です。チケットはバスターミナル窓口またはオンライン(12go.asia)で購入可能。バス内はエアコンが効きすぎていることが多いため、長袖の上着を持参することをおすすめします。途中のサービスエリアで15〜20分の休憩があり、トイレや軽食の購入ができます。
飛行機:バンコクエアウェイズがスワンナプーム空港からトラート空港へ毎日2〜3便運航。所要約1時間、料金は片道2,500〜5,000バーツ(約10,900〜21,700円)。早割で予約すれば1,800バーツ(約7,800円)前後のこともあります。バンコクエアウェイズはLCCではなく、受託手荷物や機内食が料金に含まれているため、日本の航空会社と同じ感覚で利用できます。トラート空港は小さいため、到着から空港外に出るまで10分程度。空港からコーチャン島フェリー乗り場へのシャトルバン(300バーツ/約1,300円)があります。
レンタカー:バンコクから自走する場合、高速道路経由で約4〜5時間。道路状態は良好ですが、タイは左側通行(日本と同じ)で、日本の免許証+国際免許証があれば運転可能です。ガソリンスタンドは主要道路沿いに十分あります。レンタカーは1日800〜1,500バーツ(約3,500〜6,500円)が相場。タイのドライバーは日本と比べて車間距離が短く、速度も出すため、慣れるまでは注意が必要です。トヨタやホンダなど日本車が多く走っており、ナビゲーションにはGoogleマップが問題なく使えます。高速道路のサービスエリアにはセブンイレブンやフードコートがあり、日本の高速道路と同じ感覚で休憩できます。
トラート県内の移動
ソンテウ(乗合トラック):トラート市内とフェリー乗り場を結ぶ公共交通。料金は区間により50〜100バーツ(約220〜430円)。時刻表は厳密ではなく、人が集まったら出発するシステムです。日本の定時運行に慣れている方には戸惑いがあるかもしれませんが、これもタイ旅行の一つの体験です。荷物が多い場合は、後部の荷台に載せてもらえます。
バイクタクシー:短距離移動に便利。交渉制で、市内なら40〜100バーツ(約170〜430円)程度。ヘルメットの着用は法律で義務付けられていますが、提供されないことも。自分用のヘルメットを持参するか、着用を要求しましょう。乗車前に必ず料金を確認してください。メーターはないため、行き先と金額を事前に合意するのが鉄則です。
レンタルバイク:コーチャン島での移動に最も便利。1日200〜300バーツ(約870〜1,300円)。ただし、コーチャン島は急な山道が多く、運転経験のない方には危険です。毎年、観光客のバイク事故が報告されています。日本人旅行者には、安全を考慮してソンテウやタクシーの利用を推奨します。万が一の事故に備えて、海外旅行保険は必ず加入しておいてください。クレジットカード付帯の保険ではバイク事故がカバーされない場合があります。
フェリー:コーチャン島行きフェリーは2社が運航。センターポイントフェリーとフェリーチャン。どちらも所要30〜45分、料金80バーツ(約350円)。車やバイクの持ち込みも可能(別料金)。離島行きのスピードボートは、季節や海況によりスケジュールが変動するため、当日の確認が必要です。フェリーの甲板からの景色は素晴らしく、島々が近づいてくる様子は旅の期待感を高めてくれます。酔いやすい方は酔い止め薬を事前に服用しておくと安心です。日本の「アネロン」などの酔い止めは現地では手に入らないため、日本から持参してください。
通信環境
SIMカード:トラート空港やコンビニでプリペイドSIMが購入可能。AIS、TRUE、DTACの3社があり、いずれも7日間のツーリストSIM(15GBデータ+通話付き)が299バーツ(約1,300円)程度。パスポートの提示が必要です。日本でeSIMを事前購入しておくとスムーズです。AISが最もカバレッジが広く、離島でも比較的安定した通信ができるためおすすめです。日本の大手キャリア(docomo、au、SoftBank)の国際ローミングも利用可能ですが、1日あたり2,980円と高額になるため、長期滞在には現地SIMまたはeSIMがはるかに経済的です。
Wi-Fi:トラート市内のカフェやホテルでは概ねWi-Fiが利用可能です。コーチャン島の主要エリアも問題ありませんが、離島(特にコーワイ島)では通信環境が著しく劣ります。重要な連絡がある場合は、離島へ行く前に済ませておくことを推奨します。
JCBカード情報:トラート市内やコーチャン島の4つ星以上のホテル、セブンイレブン、ファミリーマートではJCBカードが使える場合があります。ただし、ローカルレストランや市場、離島では現金のみの場所がほとんどです。VISA/Mastercardの方が対応店舗は多いため、JCBのみの方は予備の現金を多めに用意してください。ATMでのJCBキャッシングは、バンコク銀行やカシコン銀行のATMで対応しています。1回のキャッシングで最大20,000バーツ(約87,000円)まで引き出せますが、ATM手数料として220バーツ(約960円)が加算されます。まとめて引き出すほうが手数料の節約になります。
まとめ
トラートは、タイの観光地としてはまだ主流ではありませんが、だからこそ「本物のタイ」を体験できる貴重な場所です。手つかずの自然、温かい地元の人々、驚くほど安くて美味しいシーフード、そして日本では考えられないほどのコストパフォーマンス。パタヤやプーケットの喧騒に疲れた方、二度目三度目のタイ旅行で新しい体験を求める方に、心からおすすめします。バンコクから日帰りは難しい距離ですが、3泊4日もあればコーチャン島の主要スポットを巡ることができ、7日間あれば離島まで含めたトラート県の魅力を余すことなく堪能できます。
日本人旅行者にとってのハードルは、日本語情報の少なさと英語の通じにくさですが、Google翻訳やDeepLなどの翻訳アプリがあれば大きな問題にはなりません。治安は良好で、清潔なホテルも年々増えています。JCBカードの利用範囲はまだ限定的ですが、ATMでのキャッシングと現金の組み合わせで対応可能です。まだ日本人があまり訪れていない今こそ、トラートを旅する絶好のタイミングです。観光地化が進む前の素朴な魅力は、今しか味わえないかもしれません。次のタイ旅行では、ぜひバンコクから東へ足を延ばして、この隠れた楽園を自分の目で確かめてみてください。