ザルツブルク
ザルツブルク2026:出発前に知っておくべきこと
モーツァルトの故郷、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台、そしてアルプスの麓に広がる美しいバロック都市。ザルツブルクは、オーストリア第4の都市でありながら、その歴史的景観と文化的豊かさで世界中の旅行者を魅了し続けています。私は2019年から2022年までこの街に住んでいましたが、何度歩いても新しい発見がある、そんな奥深い魅力を持つ街です。
日本からザルツブルクへは、ウィーン経由またはミュンヘン経由が一般的です。ウィーンからは特急列車Railjetsで約2時間30分(片道約35EUR/約5,600円)、ミュンヘンからは約1時間30分(片道約30EUR/約4,800円)でアクセスできます。2026年現在、ザルツブルク空港(SZG)にはルフトハンザやオーストリア航空の便が就航していますが、日本からの直行便はありません。
ザルツブルクの旧市街は1996年にユネスコ世界遺産に登録されており、コンパクトながら見どころが凝縮されています。徒歩で十分に回れる規模ですが、丘の上の城塞や郊外の宮殿まで足を延ばすなら、公共交通機関やザルツブルクカードの活用がおすすめです。物価はウィーンと同程度で、日本の主要都市と比べると外食費は若干高めに感じるかもしれません。しかし、スーパーマーケットでの食料品は意外とリーズナブルです。
重要な注意点:ザルツブルクは音楽祭シーズン(7月下旬から8月)に世界中から訪問者が集まり、ホテル料金が通常の2倍以上になることもあります。この時期に訪問を計画するなら、最低でも半年前からの予約をお勧めします。
エリアガイド:どこに泊まるべきか
ザルツブルクの宿泊エリアは大きく分けて5つ。それぞれの特徴を理解して、旅のスタイルに合った場所を選びましょう。
アルトシュタット(旧市街)
世界遺産の中心部に位置するこのエリアは、ゲトライデガッセやモーツァルトの生家へ徒歩圏内という最高のロケーションを誇ります。石畳の路地に建つ歴史的建造物を改装したホテルが多く、ザルツブルクの雰囲気を存分に味わえます。
メリット:主要観光スポットへ徒歩でアクセス可能。夜のライトアップされた街並みを楽しめる。高級レストランやカフェが集中。
デメリット:宿泊料金が最も高いエリア(1泊180EUR〜400EUR/約28,800円〜64,000円)。音楽祭シーズンは予約困難。車でのアクセスが制限されており、荷物が多い場合は不便。
おすすめホテル:Hotel Goldener Hirsch(5つ星、歴史ある老舗)、Arthotel Blaue Gans(4つ星、現代アートと歴史の融合)、Hotel Elefant(3つ星、コスパ良好な老舗)
ノイシュタット(新市街)
ザルツァッハ川の右岸に広がる新市街は、ミラベル宮殿と庭園があるエリアです。旧市街よりもホテルの選択肢が多く、価格帯も幅広いのが特徴。中央駅にも近いため、列車での移動が多い方には便利です。
メリット:旧市街より宿泊料金がリーズナブル(1泊100EUR〜200EUR/約16,000円〜32,000円)。中央駅へ徒歩15分程度。ミラベル庭園の朝の散策が楽しめる。
デメリット:旧市街の主要スポットまで徒歩10〜15分。繁華街の雰囲気は旧市街に劣る。
おすすめホテル:Hotel Sacher Salzburg(5つ星、川沿いの絶景)、Star Inn Hotel Premium Salzburg Gablerbrau(4つ星、駅近で便利)、ACHAT Hotel Salzburg(3つ星、ビジネス利用にも最適)
中央駅周辺(ハウプトバーンホフ)
ザルツブルク中央駅周辺は、交通の便を最優先する方に最適なエリアです。ウィーンやミュンヘンへの日帰り旅行、または周辺の湖水地方への拠点として活用できます。
メリット:列車の発着が便利。比較的リーズナブルな宿泊料金(1泊70EUR〜150EUR/約11,200円〜24,000円)。スーパーマーケットや飲食店が充実。
デメリット:観光エリアまで徒歩20分またはバス利用。駅周辺は雰囲気が落ち着かない場所も。
おすすめホテル:Austria Trend Hotel Europa Salzburg(4つ星、駅直結)、Motel One Salzburg-Mirabell(3つ星、モダンでコスパ抜群)
レオポルツクロン・モース地区
映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地として有名なレオポルツクロン宮殿がある静かな住宅地。美しい湖と緑に囲まれた環境で、喧騒を離れてゆったりと過ごしたい方向けです。
メリット:自然豊かで静かな環境。レオポルツクロン湖での散歩やジョギングが楽しめる。比較的リーズナブル(1泊80EUR〜160EUR/約12,800円〜25,600円)。
デメリット:市内中心部までバスで15〜20分。飲食店やショップが少ない。夜は静かすぎると感じる人も。
アニフ・グレーディヒ方面(郊外)
ヘルブルン宮殿がある南部郊外エリアは、レンタカーを利用する方や、静かな環境を好む方におすすめです。アルプスの山々を望む景色は格別で、地元のワイナリーやレストランも点在しています。
メリット:アルプスの絶景。駐車場付きのホテルが多い。自然の中でリラックスできる。
デメリット:市内中心部まで車で15〜20分。公共交通機関の本数が限られる。
日本人旅行者へのアドバイス:初めてのザルツブルクなら、多少予算がかかっても旧市街または新市街に泊まることをお勧めします。コンパクトな街なので、中心部に滞在すれば朝の散策や夜の街歩きも存分に楽しめます。JCBカードは中級以上のホテルであればほぼ使えますが、小規模なペンションではVISAまたはMastercardのみの場合があるので、事前に確認しておきましょう。
ベストシーズン
ザルツブルクは四季折々の魅力がありますが、目的によってベストシーズンは異なります。
春(4月〜5月)
アルプスの雪解けが進み、ミラベル庭園やヘルブルン宮殿の花々が咲き誇る美しい季節です。気温は10〜18度程度で、日本の4月中旬〜5月の気候に近いでしょう。観光客もまだ少なめで、ゆったりと観光できます。イースター(復活祭)前後はキリスト教関連のイベントが多く、ザルツブルク大聖堂での特別なミサも体験できます。
注意点:山岳地帯への日帰りツアーは、雪解けの状況により一部ルートが閉鎖されている場合があります。アイスリーゼンヴェルト氷の洞窟は5月1日から営業開始です。
夏(6月〜8月)
ザルツブルクが最も賑わう季節です。特に7月下旬から8月にかけて開催されるザルツブルク音楽祭は、世界三大音楽祭のひとつとして知られ、世界中のクラシック音楽ファンが集まります。ザルツブルク祝祭劇場でのオペラやコンサートのチケットは数ヶ月前に完売することも珍しくありません。
気温は20〜30度で過ごしやすいですが、近年は熱波の影響で35度を超える日もあります。日本と比べて湿度が低いため、体感温度は若干楽に感じるでしょう。ヴォルフガング湖での湖水浴や、ウンタースベルク・ケーブルカーでのハイキングなど、アウトドアアクティビティを楽しむのに最適な季節です。
注意点:音楽祭シーズンはホテル料金が高騰し、レストランの予約も困難になります。この時期に訪問するなら、できるだけ早めの計画を。
秋(9月〜11月)
私が最もお勧めする季節です。音楽祭の喧騒が落ち着き、紅葉に彩られた旧市街は格別の美しさ。気温は8〜18度で、散策には理想的です。10月には地元のワイン祭りや収穫祭が各地で開催され、オーストリアの食文化を堪能できます。
カプツィーナーベルクやメンヒスベルクからの紅葉の眺めは息を呑む美しさです。観光客が減るため、ホーエンザルツブルク城塞もゆっくりと見学できます。
冬(12月〜3月)
クリスマスマーケットが開催される12月は、ザルツブルクが最もロマンチックな雰囲気に包まれる時期です。旧市街の広場に並ぶ屋台では、グリューワイン(ホットワイン)やレープクーヘン(ジンジャーブレッド)を楽しめます。雪化粧した城塞と旧市街の組み合わせは、まさに絵葉書のような美しさです。
1月〜2月は観光客が最も少なく、ホテル料金も年間で最安値になります。ただし、気温は-5〜5度程度と寒く、日照時間も短いため、防寒対策は必須です。
モデルコース:2日から5日
2日間コース:ザルツブルクのエッセンスを凝縮
1日目:旧市街を徹底探索
午前9時、ミラベル宮殿と庭園からスタート。映画「サウンド・オブ・ミュージック」で有名なペガサスの噴水や、整然と配置されたバロック庭園を散策しましょう(入場無料、所要時間約45分)。その後、マカルト橋を渡って旧市街へ。
10時頃、モーツァルトの生家を訪問(入場料14EUR/約2,240円、所要時間約1時間)。モーツァルトが使用したヴァイオリンや直筆の楽譜など、貴重な展示品を見学できます。日本語オーディオガイドも利用可能です。
昼食はゲトライデガッセ周辺のカフェで。Cafe Tomaselliは1705年創業のザルツブルク最古のカフェハウスで、アインシュペナー(ウィンナーコーヒー)とザッハトルテの組み合わせがお勧めです(セットで約12EUR/約1,920円)。
午後はホーエンザルツブルク城塞へ。フニクラー(ケーブルカー)で山頂に登り、中央ヨーロッパ最大級の城塞を探索します(フニクラー往復+入場料:16.30EUR/約2,608円、所要時間約2時間)。城塞からの旧市街とアルプスの眺望は圧巻です。
夕方、ザルツブルク大聖堂を見学(入場無料、ドームミュージアムは別料金)。モーツァルトが洗礼を受けた場所でもあります。その後、レジデンツ広場でアペロール・シュプリッツを楽しみながら夕暮れを迎えましょう。
2日目:芸術と自然
午前中はドムクヴァルティーア ザルツブルクで大司教の壮麗な居住空間を見学(入場料15EUR/約2,400円、所要時間約2時間)。ザルツブルク・レジデンツの華麗な部屋々を巡りながら、ザルツブルクの歴史を学べます。
午後はヘルブルン宮殿へ(バス25番で約20分)。17世紀の大司教が造った「いたずら噴水」は必見です(入場料15.50EUR/約2,480円)。予告なく水が噴き出す仕掛けに、思わず声が出てしまうこと間違いなし。庭園も美しく、所要時間は約2時間を見ておきましょう。
3日間コース:周辺エリアへ足を延ばす
2日間コースに加えて、3日目は郊外へ。
3日目:湖水地方日帰りツアー
ヴォルフガング湖エリアへの日帰りツアーがお勧めです。ザルツブルク中央駅から150番バスでザンクト・ギルゲンへ(約50分、片道7.20EUR/約1,152円)。湖畔の小さな町を散策した後、フェリーでザンクト・ヴォルフガングへ(片道約10EUR/約1,600円、約40分)。
ザンクト・ヴォルフガングでは、シャーフベルク登山鉄. 道(往復44EUR/約7,040円)に乗って山頂へ。晴れた日には、湖水地方全体を見渡す絶景が待っています。下山後は湖畔のレストランで新鮮なザイブリング(湖の魚)を味わいましょう。
4日間コース:芸術とグルメを深掘り
4日目:美術館巡りとグルメ体験
午前中はザルツブルク近代美術館へ。メンヒスベルクの崖の上に建つこの美術館は、現代アートのコレクションはもちろん、建築自体も見どころです(入場料10EUR/約1,600円)。カフェからの眺望も素晴らしい。
昼食後、シュティーグル・ブラウヴェルトでビール醸造の歴史を学び、試飲を楽しみましょう(入場料+試飲3杯:16.90EUR/約2,704円)。オーストリア最大の私営醸造所で、500年以上の歴史があります。
夕方はレッドブル・ハンガー7へ(入場無料)。航空機、F1マシン、現代アートが融合したユニークな空間で、併設のレストランIkarusでは月替わりで世界中のスターシェフが腕を振るいます(ディナーコース約150EUR/約24,000円〜、要予約)。
5日間コース:アルプスの自然を満喫
5日目:山岳アドベンチャー
ウンタースベルク・ケーブルカーでザルツブルク最高峰へ(往復31EUR/約4,960円)。標高1,853メートルの山頂からは、晴れた日にはドイツとオーストリアの国境を跨いでアルプス山脈を一望できます。山頂には複数のハイキングコースがあり、初心者向けから上級者向けまで選べます。
午後はアイスリーゼンヴェルト氷の洞窟へ(入場料+ロープウェイ:32EUR/約5,120円)。世界最大の氷の洞窟で、真夏でも氷点下の世界が広がります。ヴェルフェンからのアクセスとなり、ザルツブルクからは日帰りで往復約5〜6時間かかりますので、時間に余裕を持って計画してください。
注意:洞窟内は寒いため、夏でも暖かい上着が必要です。また、5月〜10月のみ営業しています。
グルメガイド:レストラン
ザルツブルクは美食の街としても知られています。ミシュラン星付きレストランから地元の人に愛される居酒屋まで、幅広い選択肢があります。
高級レストラン(ディナー1人80EUR〜/約12,800円〜)
Restaurant Ikarus(レッドブル・ハンガー7内)
月替わりで世界中のスターシェフが登場するユニークなコンセプト。航空機に囲まれた未来的な空間で、創造性溢れる料理を堪能できます。コースメニューは150EUR〜(約24,000円〜)。予約必須、ドレスコードあり。
Restaurant Esszimmer
ミシュラン2つ星を獲得したザルツブルク最高峰のファインダイニング。オーストリア料理を現代的に解釈したコースが楽しめます。8コース約190EUR(約30,400円)。数週間前からの予約推奨。
Carpe Diem Finest Fingerfood
コーン型の器に盛られたフィンガーフードという独創的なスタイル。創業者はかつてシェフ・オブ・ザ・イヤーに選ばれた実力派。ディナーセット約65EUR(約10,400円)。
中級レストラン(ディナー1人30〜60EUR/約4,800〜9,600円)
Stiftskeller St. Peter
803年創業、ヨーロッパ最古のレストランのひとつ。聖ペーター修道院に隣接し、歴史ある空間で伝統的なオーストリア料理を味わえます。ターフェルシュピッツ(茹で牛肉)は絶品で、メインは25〜40EUR(約4,000〜6,400円)程度。モーツァルト・ディナーコンサートも開催されています。
M32(近代美術館内)
ザルツブルク近代美術館最上階にあるレストラン。旧市街を見下ろす絶景とともに、モダンオーストリア料理を楽しめます。ランチセット約25EUR(約4,000円)。
Zum Fidelen Affen
地元の人々に愛される居酒屋風レストラン。ウィーナーシュニッツェルやカイザーシュマーレン(皇帝のパンケーキ)など、ボリューム満点のオーストリア料理がリーズナブルに楽しめます。メイン15〜25EUR(約2,400〜4,000円)。
カジュアル・カフェ(1人15〜30EUR/約2,400〜4,800円)
Cafe Tomaselli
1705年創業のザルツブルク最古のカフェ。モーツァルトも通ったとされる歴史ある空間で、アインシュペナー(5EUR/約800円)とザッハトルテ(6.50EUR/約1,040円)を。テラス席からはアルター・マルクト広場を眺められます。
Cafe Bazar
ザルツァッハ川沿いの老舗カフェ。作家シュテファン・ツヴァイクも常連だったとか。朝食セットが充実しており、ブランチに最適(12〜18EUR/約1,920〜2,880円)。
220 Grad
地元のコーヒーロースターが運営するサードウェーブ系カフェ。エスプレッソの質にこだわる方におすすめ。軽食も充実。
日本人旅行者へのヒント:レストランでは水は有料(ミネラルウォーター 3〜5EUR)です。チップは料金の5〜10%が目安。JCBカードは高級レストランでは使えることが多いですが、カジュアルな店舗ではVISA/Mastercardが確実です。また、日曜日は多くのレストランが休業または営業時間短縮になるので注意してください。
食べるべき名物料理
ザルツブルクを訪れたら、ぜひ試していただきたい地元の味があります。
メイン料理
ザルツブルガー・ノッケルン(Salzburger Nockerl)
ザルツブルクを代表するデザートですが、ボリュームがあるのでメイン代わりにする人も。ふわふわのスフレ状の甘いオムレツで、3つの山型はザルツブルクを囲む山々(メンヒスベルク、カプツィーナーベルク、ガイスベルク)を表しています。2〜3人でシェアするのがおすすめ。価格は15〜20EUR(約2,400〜3,200円)程度。Stiftskeller St. Petersのものが特に有名です。
ターフェルシュピッツ(Tafelspitz)
オーストリアの国民食とも言える茹で牛肉料理。りんごのすりおろしとホースラディッシュソースを添えて食べます。皇帝フランツ・ヨーゼフが毎日食べたという伝説も。メイン料理として25〜35EUR(約4,000〜5,600円)。
ウィーナーシュニッツェル(Wiener Schnitzel)
薄く叩いた仔牛肉にパン粉をつけて揚げたカツレツ。レモンを絞って食べるのが定番。皿からはみ出すサイズが出てきても驚かないでください。本格的なものは仔牛肉を使用し20〜30EUR(約3,200〜4,800円)、豚肉版は15EUR(約2,400円)前後。
カイザーシュマーレン(Kaiserschmarren)
「皇帝のパンケーキ」という名のふわふわのパンケーキを細かくちぎったもの。粉砂糖をたっぷりかけ、プラムのコンポートを添えて食べます。デザートとしても軽食としても人気。12〜18EUR(約1,920〜2,880円)。
スナック・軽食
ボスナ(Bosna)
ザルツブルク発祥のファストフード。細長いパンにブラートヴルスト(焼きソーセージ)を挟み、カレー粉と玉ねぎをトッピング。ゲトライデガッセのBalkan Grillが発祥の店で、1本4.50EUR(約720円)程度。観光の合間の軽食に最適です。
レーバーケーゼゼンメル(Leberkasesemmel)
ミートローフをスライスしてパンに挟んだサンドイッチ。マスタードを添えて食べます。スーパーの惣菜コーナーやスタンドで3〜5EUR(約480〜800円)で購入可能。地元の人の朝食やランチの定番です。
スイーツ
モーツァルトクーゲル(Mozartkugeln)
ピスタチオマジパン、ヌガー、ダークチョコレートの3層からなる球形のチョコレート菓子。本家本元はFurst(フュルスト)が1890年に考案したもので、手作りで銀紙に包まれています(1個1.70EUR/約272円)。大量生産のMirabellやReber製とは味が違いますので、本物を一度は試してみてください。
ザッハトルテ(Sachertorte)
ウィーン発祥ですが、ザルツブルクのカフェでも定番。濃厚なチョコレートケーキにアプリコットジャムを挟み、チョコレートでコーティング。甘さ控えめの生クリームを添えて食べます。一切れ6〜8EUR(約960〜1,280円)。
地元の人のアドバイス
3年間ザルツブルクで暮らした経験から、ガイドブックには載っていない実用的なアドバイスをお伝えします。
観光のコツ
ザルツブルクカードを活用する
24時間券(32EUR/約5,120円)、48時間券(41EUR/約6,560円)、72時間券(47EUR/約7,520円)の3種類があり、主要観光施設の入場料と公共交通機関が無料になります。ホーエンザルツブルク城塞だけでも16.30EUR、モーツァルトの生家14EUR、ヘルブルン宮殿15.50EURなので、1日に3箇所以上回るなら確実にお得です。
朝一番を狙う
ホーエンザルツブルク城塞は朝9時のオープン直後が最も空いています。団体ツアーが到着する10時半以降は急に混雑します。同様に、モーツァルトの生家も午前中早めがおすすめ。
無料の眺望スポット
有料の展望台に行かなくても、素晴らしい景色を楽しめるスポットがあります。カプツィーナーベルクの頂上からは旧市街全体を見渡せます(徒歩約20分)。また、メンヒスベルクのエレベーター(ザルツブルクカードで無料、通常片道2.70EUR)を使えば、気軽に絶景ポイントへアクセスできます。
サウンド・オブ・ミュージック・ツアーについて
日本では知名度が高くないかもしれませんが、英語圏の観光客にとっては定番ツアーです。映画のファンなら参加する価値がありますが、そうでなければ個別にミラベル庭園やヘルブルン宮殿、ノンベルク修道院を訪れれば十分でしょう。
節約のヒント
スーパーマーケットを活用
BILLA、SPAR、Hoferなどのスーパーで朝食や軽食を調達すれば、食費を大幅に節約できます。サンドイッチは3〜5EUR(約480〜800円)、ヨーグルトやフルーツは1EUR(約160円)前後。中央駅構内のBILLAは日曜日も営業しています。
ランチメニューを狙う
多くのレストランでは、平日ランチに「Mittagsmenu」という日替わりセットを提供しています。メイン+サラダまたはスープで10〜15EUR(約1,600〜2,400円)程度と、ディナーの半額以下で食事できます。
水は持参する
オーストリアの水道水は飲用可能で、アルプスの雪解け水を源とした質の高いものです。レストランで有料のミネラルウォーターを頼む代わりに、水筒を持参しましょう。街中にも給水スポットがあります。
マナーと文化
挨拶は大切
店に入るときは「Grus Gott」(グリュース・ゴット、オーストリア式の挨拶)、出るときは「Auf Wiedersehen」(アウフ・ヴィーダーゼーエン、さようなら)と言いましょう。無言で出入りするのは失礼とされます。
日曜日の営業
オーストリアでは日曜日は安息日として多くの店舗が休業します。スーパーマーケットも閉まっているので、土曜日までに必要なものを買っておきましょう。レストランやカフェは営業していますが、営業時間が短いことも。
チップの習慣
レストランでは料金の5〜10%程度のチップが一般的です。支払い時に「Stimmt so」(シュティムト・ゾー、おつりは結構です)と言うか、希望の合計金額を伝えます。クレジットカード払いの場合は、伝票にチップ額を書き込むか、別途現金で渡します。
交通・通信
ザルツブルクへのアクセス
飛行機
ザルツブルク空港(SZG)は市内中心部から約4km。日本からの直行便はないため、ウィーン、フランクフルト、ミュンヘンなどで乗り継ぎとなります。空港から市内へはバス2番で約20分(片道2.80EUR/約448円)。タクシーは約15〜20EUR(約2,400〜3,200円)。
鉄道
ウィーンからはOBB(オーストリア国鉄)のRailjetで約2時間30分。片道料金は時期や予約タイミングにより19〜60EUR(約3,040〜9,600円)と大きく変動します。早期予約のSparschiene(早割)がお得。ミュンヘンからはDB(ドイツ鉄道)で約1時間30分、片道約30EUR(約4,800円)。
バス
FlixBusがウィーン、ミュンヘン、プラハなどから運行。鉄道より安価ですが、所要時間は長めです。ウィーンから約4時間で15〜25EUR(約2,400〜4,000円)程度。
市内交通
バス
ザルツブルク市内は主にObus(トロリーバス)とバスで移動します。1回乗車券は2.80EUR(約448円)、24時間券は6.20EUR(約992円)。ザルツブルクカードがあれば公共交通機関は無料です。主要路線は5〜10分間隔で運行しています。
徒歩
旧市街はコンパクトなので、ほとんどの観光は徒歩で可能です。中央駅から旧市街の中心(アルター・マルクト)まで徒歩約25分。ただし、石畳の道が多いので、歩きやすい靴を推奨します。
レンタサイクル
Nextbikeのシェアサイクルが市内各所で利用可能。アプリで登録後、30分1.50EUR(約240円)から利用できます。自転車専用レーンが整備されており、市内移動に便利。ただし、旧市街の一部は自転車進入禁止です。
タクシー
メーター制で初乗り約4EUR(約640円)、その後1kmあたり約2EUR(約320円)。空港から市内は約15〜20EUR(約2,400〜3,200円)。Uberは2026年現在ザルツブルクでは利用できません。
通信
SIMカード
EU圏内のSIMカードを持っていれば、そのままオーストリアでも使用可能(ローミング料金なし)。オーストリアでSIMを購入するなら、A1、Magenta、Dreiが主要キャリア。プリペイドSIMは家電量販店(Media Markt、Saturn)やスーパーで購入できます。10GBで約15EUR(約2,400円)程度から。
Wi-Fi
ほとんどのホテル、カフェ、レストランで無料Wi-Fiが利用可能です。市内中心部には公共Wi-Fi「Salzburg surft」もありますが、速度は期待しないほうがよいでしょう。
eSIM
日本で事前にeSIMを購入しておくのも便利です。Airalo、Holafly、Ubigiなどのサービスで、ヨーロッパ周遊プランが7日間10GBで約15〜25USD(約2,400〜4,000円)程度。到着後すぐに使い始められるのがメリットです。
通貨・支払い
通貨
ユーロ(EUR)。2026年3月現在、1EUR=約160円で換算しています。
クレジットカード
VISAとMastercardはほぼどこでも使えます。JCBは中級以上のホテル、デパート、一部の観光施設で利用可能ですが、小規模な店舗やカフェでは使えないことが多いです。American Expressは加盟店が限られます。
現金
市場や一部の小さな店舗では現金のみの場合があります。50〜100EUR程度の現金は持っておくと安心です。両替は銀行または空港の両替所で。街中の両替商はレートが悪いことが多いので避けましょう。ATMでのキャッシングも便利ですが、手数料に注意。
まとめ
ザルツブルクは、コンパクトながらも驚くほど多彩な魅力を持つ街です。モーツァルトの音楽遺産、バロック建築の美しさ、アルプスの雄大な自然、そして豊かな食文化が、この小さな街に凝縮されています。
2日間あれば主要な見どころは押さえられますが、できれば3〜4日滞在して、ヴォルフガング湖やウンタースベルクなどの周辺エリアにも足を延ばしてみてください。季節ごとに異なる表情を見せる街なので、何度訪れても新しい発見があります。
最後に、ザルツブルクを存分に楽しむための3つのポイントを。まず、ザルツブルクカードを活用して効率よく観光すること。次に、地元のカフェでゆったりとした時間を過ごすこと。そして、急がず、この美しい街の雰囲気を五感で味わうこと。きっと忘れられない旅になるはずです。
Gute Reise! 良い旅を!