パース
パース2026:旅行前に知っておくべきこと
パースは、オーストラリア西海岸に位置する世界で最も孤立した大都市の一つだ。東のシドニーやメルボルンとは約4000km離れており、実はインドネシアのバリ島のほうが近い。人口は約220万人で、オーストラリア第4の都市だが、東海岸の喧騒とはまったく異なる穏やかな空気が流れている。
日本人旅行者にとってパースは、まだ「知る人ぞ知る」目的地かもしれない。しかし、実際に訪れると驚くことが多い。まず、日照時間がオーストラリアの主要都市で最も長い。年間約3000時間の日照があり、空の青さは息を飲むほどだ。そして、街全体がゆったりとしていて、東京の満員電車とは対極の世界が広がっている。
治安は非常に良い。夜の繁華街でも、日本と同じ感覚で歩ける。ただし、ノースブリッジの深夜帯(金曜・土曜の午前2時以降)は酔っ払いが多いので、少し注意が必要だ。とはいえ、凶悪犯罪に巻き込まれるリスクは極めて低い。
通貨はオーストラリアドル(AUD)。2026年3月時点で1AUDは約98〜102円前後。物価は日本よりやや高い。カフェのコーヒーが5〜7AUD(約500〜700円)、レストランのメインディッシュが25〜45AUD(約2500〜4500円)、ビールのパイント(約570ml)が10〜14AUD(約1000〜1400円)という感覚だ。
JCBカードについて:パースでは使える場所が限られる。大手のデパートや一部ホテルでは対応しているが、個人経営のレストランやカフェではほぼ使えない。Visa またはMastercardを必ず持参すること。Apple PayやGoogle Payにこれらのカードを登録しておくと、タッチ決済でほぼどこでも支払える。オーストラリアはキャッシュレス先進国で、現金を使う場面はほとんどない。
フライト情報:2026年現在、ANA(全日空)が成田からパースへの直行便を運航している。所要時間は約10時間。カンタス航空もシドニー経由でアクセス可能だ。直行便がない場合は、シンガポール航空でシンガポール経由(合計約12〜14時間)が便利で快適。パース空港から市内中心部までは車で約25分、Uberで30〜40AUD程度だ。
時差は日本のマイナス1時間(サマータイムなし)。つまり東京が正午のとき、パースは午前11時。これは旅行者にとって非常に楽で、時差ボケの心配がほぼない。
英語が基本だが、パースの人々は概してフレンドリーで、話すスピードもシドニーほど速くない。基本的な英語ができれば問題なく旅行できる。Google翻訳アプリがあればさらに安心だ。
パースのエリアガイド:どこに泊まるべきか
1. パースCBD(シティセンター)
パースの中心部で、ショッピング、レストラン、美術館、公共交通のハブがすべて集まるエリア。エリザベス・キーのウォーターフロントは夕暮れ時に特に美しく、スワン川を眺めながら散歩するだけで幸せな気分になれる。ベルタワーも徒歩圏内だ。
宿泊費の目安:4つ星ホテルで1泊200〜350AUD(約20,000〜35,000円)、5つ星で350〜600AUD。Airbnbのアパートメントなら120〜200AUD程度で見つかる。
こんな人におすすめ:初めてのパース旅行、短期滞在(3日以内)、公共交通を使いたい人。市内のフリーゾーン(CAT)バスが無料で走っており、主要観光地を効率よく回れる。
注意点:日曜日は多くの店が早く閉まる(17時頃)。また、日本のコンビニのような24時間営業の店はほぼない。
2. ノースブリッジ
ノースブリッジはパースの飲食・ナイトライフの中心地。多国籍レストラン、バー、クラブが密集している。西オーストラリア博物館ブーラ・バーディップや西オーストラリア美術館もこのエリアにある。
宿泊費の目安:バックパッカーホステルで40〜60AUD、中級ホテルで150〜250AUD。CBDより少し安い。
こんな人におすすめ:食べ歩きが好き、夜も楽しみたい、アジア料理が恋しくなりそうな人。日本食レストラン、韓国料理、ベトナム料理、中華料理が豊富にある。
注意点:週末の深夜は騒がしくなる。静かに過ごしたい人は、ノースブリッジの端(文化地区側)を選ぶといい。
3. フリーマントル
パースCBDから南西へ約30分の港町。歴史的な建物が並ぶストリート、フリーマントル刑務所(世界遺産)、週末のフリーマントルマーケット(金〜日曜)が見どころ。ボヘミアンな雰囲気があり、独立系のカフェやギャラリーが多い。
宿泊費の目安:中級ホテルで150〜280AUD。B&Bやゲストハウスもあり、100〜180AUD程度。
こんな人におすすめ:歴史好き、港町の雰囲気が好き、ロットネスト島への日帰りを計画している人(フェリーはフリーマントルから出発)。
注意点:パースCBDとは電車で約30分離れている。CBD中心の観光には少し不便。ただし電車は頻繁に走っている(日中は10〜15分間隔)。
4. スカボロービーチ
パースで最も活気のあるビーチエリア。近年再開発が進み、おしゃれなレストランやバーが増えた。サーフィン文化が根付いており、朝のビーチランナーから夕方のサーファーまで、アクティブな雰囲気が漂う。
宿泊費の目安:ビーチフロントのアパートメントで180〜300AUD。ホテルは少ないが、Airbnbの選択肢は豊富。
こんな人におすすめ:ビーチリゾート気分を味わいたい、サーフィンやウォータースポーツに興味がある人。
注意点:CBDまでバスで約30分。車がないとやや不便。レストランの選択肢はノースブリッジほど多くない。
5. コテスロー
コテスロービーチがあるエリア。パースで最も美しいビーチの一つで、インド洋に沈む夕日は圧巻。高級住宅街で、落ち着いた雰囲気がある。ビーチ沿いの芝生エリアでピクニックを楽しむ地元民の姿が印象的だ。
宿泊費の目安:高級寄りのアパートメントで200〜350AUD。ホテルの選択肢は少ないが、質は高い。
こんな人におすすめ:静かなビーチリゾートを求める人、カップル、家族連れ。CBDから電車で約25分とアクセスも悪くない。
注意点:飲食店は限られる。夜の選択肢は少ないので、ディナーはCBDかフリーマントルに出たほうがいい。
6. サウスパース
スワン川を挟んでCBDの対岸に位置するエリア。パースの有名なスカイライン写真は、実はサウスパース側から撮影されたものが多い。パース動物園があり、家族連れに人気。フェリーでCBDまで約7分。
宿泊費の目安:中級ホテルで140〜220AUD。CBDより静かで少し安い。
こんな人におすすめ:川越しのスカイラインを毎日見たい人、動物園に行く家族、CBDの喧騒を避けたい人。
注意点:レストランの選択肢はCBDより少ない。ただしフェリーで簡単にCBDに渡れるので大きな問題ではない。
7. スワンバレー
スワンバレーはパースCBDから北東へ約30分のワイン産地。40以上のワイナリー、ブリュワリー、チョコレート工場、チーズ工場が点在する。のんびりとした田園風景が広がる。
宿泊費の目安:ブティックホテルやB&Bで180〜350AUD。ワイナリー併設の宿泊施設もある。
こんな人におすすめ:ワイン好き、田園風景を楽しみたい人、レンタカーで旅行する人。
注意点:車がないとかなり不便。ワイナリーツアーに参加するか、レンタカーが必須(運転手は飲めないが)。Uberは呼べるが待ち時間が長いことがある。
パース旅行のベストシーズン
夏(12月〜2月)
パースの夏は暑くて乾燥している。平均最高気温は30〜35度で、40度を超える日もある。ただし、湿度が低いので日本の夏のようなジメジメ感はない。日陰に入れば涼しく感じる。ビーチシーズンの最盛期で、コテスロービーチやロットネスト島は地元の人で賑わう。
メリット:最も長い日照時間(日の入りが19時30分〜20時頃)、ビーチが最高、フェスティバルやイベントが多い。
デメリット:宿泊費が高い、人気スポットが混む、猛暑の日は屋外活動がつらい。日焼け止めSPF50+は絶対に必要。オーストラリアの紫外線は日本の3〜5倍強い。
秋(3月〜5月)
最もおすすめの季節。気温は20〜28度で過ごしやすく、海水温もまだ温かい(22〜24度)。観光客が減り始め、宿泊費も下がる。キングスパークの木々が色づき始め、ワイルドフラワーの季節が始まる。
メリット:快適な気候、比較的安い宿泊費、混雑が少ない。
デメリット:5月に入ると雨が増え始める。夕方は肌寒くなることがある。
冬(6月〜8月)
パースの冬は温暖で、最高気温は17〜19度、最低気温は8〜10度。東京の冬より暖かい。ただし雨季にあたり、年間降水量の約70%がこの時期に集中する。とはいえ、一日中雨が降り続けることは少なく、にわか雨がパラパラと降るパターンが多い。
メリット:宿泊費が最も安い(夏の30〜50%オフ)、観光地が空いている、ホエールウォッチングのシーズン(6〜10月)。
デメリット:ビーチは寒い、日照時間が短い(日の入り17時30分頃)、一部の屋外アクティビティが休止。
春(9月〜11月)
パースの春はワイルドフラワーの季節。西オーストラリアには12,000種以上のワイルドフラワーが自生しており、キングスパークでもカラフルな花々を楽しめる。気温は20〜26度で、屋外活動に最適。
メリット:ワイルドフラワー、快適な気温、宿泊費がまだ手頃。
デメリット:9月はまだ雨が残ることがある。春先の朝晩は冷え込む。
日本人旅行者へのアドバイス:日本のゴールデンウィーク(4月下旬〜5月上旬)はパースの秋にあたり、気候的にベスト。年末年始はパースの真夏で、ビーチを楽しめるが暑さ対策は必須。
パース旅行プラン:3日間、5日間、7日間
3日間プラン:パースの本質を凝縮
1日目:市内中心部を歩き尽くす
朝はホテル近くのカフェでフラットホワイト(5.5AUD)とアボカドトーストの朝食からスタート。パースのカフェ文化は素晴らしく、どの店もコーヒーの質が高い。
午前中はキングスパークへ。市内中心部から徒歩15分ほどの丘の上に広がる400ヘクタールの公園で、パースのスカイラインとスワン川の全景を一望できる。Lotterywest Federation Walkwayという樹冠の高さに架けられた遊歩道は必見。所要時間2〜3時間。無料。
ランチはCBDに戻り、ヘイストリートモールかマレーストリートモール周辺で。フードコートなら15〜20AUDでしっかり食べられる。
午後はエリザベス・キーのウォーターフロントを散策。ベルタワー(入場18AUD)を見学し、スワン川沿いを歩く。その後、西オーストラリア博物館ブーラ・バーディップへ(入場無料)。西オーストラリアの自然史と先住民文化を学べる素晴らしい博物館で、展示のクオリティは日本の国立博物館にも引けを取らない。
夕方は西オーストラリア美術館(入場無料)を覗いてから、ノースブリッジでディナー。
2日目:ロットネスト島の冒険
ロットネスト島は、パース旅行のハイライトだ。フリーマントルからフェリーで約25分(往復59〜79AUD)。島ではクオッカ(小さなカンガルーの仲間で、常に笑っているような顔をしている)に会える。自転車をレンタル(30AUD/日)して島を一周するのがおすすめ。約22kmのサイクリングコースで、63のビーチと20の湾を巡れる。
朝8時のフェリーに乗り、ランチは島のベーカリーで名物のミートパイ(7〜9AUD)を。午後は好きなビーチでシュノーケリング(レンタル15AUD)を楽しむ。透明度は抜群で、熱帯魚やサンゴが見られる。16時頃のフェリーで戻り、フリーマントルで夕食を取るのがベスト。
3日目:フリーマントルとコテスロー
午前中はフリーマントル刑務所のツアーに参加(24AUD、所要約1時間15分)。1991年まで実際に使われていた刑務所で、オーストラリアの植民地時代の歴史を体感できる。トンネルツアー(65AUD)は地下の排水路をボートで進む冒険的な体験だ。
ランチはフリーマントルマーケット(金〜日曜のみ)で地元のシーフードやフルーツを。マーケットが閉まっている場合は、サウステラス沿いのカフェへ。
午後は電車でコテスロービーチへ移動(約10分)。インド洋に沈む夕日を見ながらビーチで過ごす。ビーチ沿いのOcean Beach Hotelで冷えたビールを飲みながらサンセットを楽しむのが最高の締めくくりだ。
5日間プラン:3日間 + 以下を追加
4日目:スワンバレーのワイナリー巡り
スワンバレーへのワイナリーツアーに参加(半日ツアーで90〜130AUD、終日で150〜200AUD)。ツアーには通常3〜5つのワイナリー訪問、チーズやチョコレートのテイスティングが含まれる。
おすすめワイナリー:Sandalford Wines(パース最古のワイナリーの一つ)、Houghton Wines(広い庭園が美しい)、Mandoon Estate(ブリュワリーも併設)。ランチはMandoon Estateのレストラン(メイン35〜50AUD)が雰囲気抜群。
午後はThe House of Honeyで蜂蜜のテイスティング、Margaret River Chocolate Companyでチョコレートの試食(どちらも無料)。甘いもの好きにはたまらない。
5日目:サイエンスとカルチャー
午前中はサイテック(入場19AUD)へ。体験型の科学館で、大人でも十分楽しめる。プラネタリウムのショーは特におすすめ(追加5AUD)。
午後はパースミント(王立造幣局、入場22AUD)で金塊の鋳造を見学。1kgの純金バー(約1億円相当)を持ち上げる体験ができる。その後、ロンドンコート(チューダー様式のショッピングアーケード)を散策し、お土産を探す。
最後の夜は少し奮発して、エリザベス・キーのウォーターフロントレストランでディナー。Wildflower(メイン55〜75AUD)では西オーストラリアの食材を使った創作料理が楽しめる。
7日間プラン:5日間 + 以下を追加
6日目:ピナクルズ砂漠への日帰り
ピナクルズ砂漠はパースから北へ約2時間半。数千もの石灰岩の柱が砂漠に立ち並ぶ異世界のような光景で、火星に来たような感覚になる。日帰りツアー(150〜220AUD)に参加するのが便利。ツアーにはランセリンの砂丘でのサンドボーディング体験が含まれることが多い。
レンタカーで行く場合は、早朝出発がおすすめ。朝日や夕日の時間帯は石柱の影が長く伸び、最も幻想的な写真が撮れる。国立公園の入場料は車1台15AUD。
7日目:自由時間と最後の散策
最終日はのんびりと過ごす。午前中はCBDのカフェでゆっくり朝食を取り、最後のショッピング。オーストラリアのお土産として人気なのは、Tim Tamチョコレート(スーパーで4AUD)、Jurlique のスキンケア(オーストラリアブランド)、ワイン(免税店で30〜60AUD)。
午後はキングスパークを再訪するか、スワン川のリバークルーズ(90分、29AUD)を楽しむ。空港へは17時頃に出発すれば、20時以降のフライトに十分間に合う。
オプション:ウェーブロック日帰り
もう1日余裕がある場合は、ウェーブロックへの日帰りも検討してほしい。パースから東へ約4時間の巨大な波型の岩で、高さ15m、長さ110mの花崗岩の壁は圧巻。ただし距離があるため、レンタカーか日帰りツアー(180〜250AUD)が必要。途中のヨーク(York)というレトロな町での休憩も楽しい。
パースのグルメ:レストランとカフェ
カフェ文化
パースのカフェ文化は、メルボルンに次いでオーストラリアで2番目に充実していると言われる。コーヒーのクオリティは日本のスペシャルティコーヒーショップに匹敵する。注文の仕方は、フラットホワイト(Flat White)、ロングブラック(Long Black=アメリカーノに近い)、カプチーノ(Cappuccino)が基本。日本のアイスコーヒーに相当するのはIced Long Blackだ。
おすすめカフェ:
- Pixel Coffee Brewers(CBD):パースのスペシャルティコーヒーシーンを牽引する店。シングルオリジンが充実。コーヒー5.5〜7AUD。
- Mary Street Bakery(複数店舗):ドーナツとブランチの名店。パンケーキが美味しい。ブランチ20〜30AUD。
- Sayers Sister(CBD):ヘルシーなブランチメニューが人気。アボカドスマッシュがおすすめ。ブランチ22〜32AUD。
- Hylin(CBD):洗練されたカフェ。日本の抹茶ラテも提供している(7AUD)。
レストラン
ファインダイニング:
- Wildflower(エリザベス・キー):6コースのテイスティングメニュー165AUD。西オーストラリアの先住民食材(ワトルシード、レモンマートルなど)を使った革新的な料理。パースで最も評価の高いレストランの一つ。
- Lulu La Delizia(サビアコ):イタリアン。手打ちパスタが絶品。メイン38〜55AUD。予約必須。
- Fleur(CBD):フランス料理。ランチのプリフィクス(3コース75AUD)がお得。
カジュアルダイニング:
- Little Creatures(フリーマントル):クラフトビール醸造所直営のレストラン。ピザ(22〜28AUD)とビールの組み合わせが最高。港を見渡す開放的な空間。
- Brika(ノースブリッジ):ギリシャ料理。共有プレートスタイルで、ラムショルダー(59AUD、2〜3人前)が人気。
- Pleased to Meet You(CBD):モダンオーストラリアン。バーガーからステーキまで。メイン28〜45AUD。
シーフード:
- Kailis Fish Market Cafe(フリーマントル):フィッシュ・アンド・チップスの名店。新鮮な魚介を選んで調理してもらえる。15〜30AUD。
- The Lobster Shack(セルバンテス、ピナクルズ近く):ロブスター工場直営。ロブスターランチ45AUD。ピナクルズツアーと組み合わせるのがおすすめ。
日本食レストラン
パースには日本食レストランが多数あり、日本の味が恋しくなっても安心だ。
- Kumo Izakaya(CBD):本格的な居酒屋スタイル。焼き鳥、刺身、日本酒が充実。2人で100〜150AUD。
- Nao Japanese Restaurant(ビクトリアパーク):寿司と和食。日本人シェフが腕を振るう。おまかせコース85AUD。
- Hifumiya Udon(CBD):讃岐うどんの専門店。うどん12〜16AUD。セルフサービスで天ぷらを追加できる。日本のうどん屋の雰囲気そのまま。
- RoyAl's Chicken & Burger(ノースブリッジ):日本式の唐揚げが食べられる。チキンバーガー15AUD。
予算別ガイド
バックパッカー(1日50〜80AUD):スーパー(Coles、Woolworths)で食材を買い、宿のキッチンで自炊。フードコートのランチ。たまにカフェ。
中級(1日100〜180AUD):カフェでの朝食、カジュアルレストランでのランチとディナー。週に1〜2回はちょっといいレストラン。
贅沢(1日250AUD〜):ファインダイニングでのディナー、ワイナリーでのランチ、高級カフェでのブランチ。
絶対食べたい:パースの名物料理
フィッシュ・アンド・チップス
オーストラリアの定番だが、パースのフィッシュ・アンド・チップスは特に美味しい。インド洋で獲れたバラマンディ、スナッパー(鯛の仲間)、ハドックが使われる。ビール衣でサクサクに揚げたフィレに、太切りのチップス、コールスロー、レモンが添えられる。12〜25AUD。フリーマントルのCicerello'sやKailis Fish Market Cafeが定番。
マーガレットリバー産のワインとチーズ
西オーストラリアは優れたワイン産地で、特にマーガレットリバー産のカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネは世界的に高い評価を受けている。パース市内のワインバーやレストランでグラス12〜18AUDで味わえる。地元産のチーズとのペアリングは最高だ。
ミートパイ
オーストラリアのソウルフード。パイ生地の中にビーフシチューやチキンカレーが詰まっている。ベーカリーで4〜8AUD。ロットネスト島のRottnest Bakeryのパイは特に有名で、わざわざフェリーに乗って食べに行く人もいる。
バラマンディ
オーストラリアを代表する白身魚。淡白でありながらバターのようなコクがあり、グリル、パン粉焼き、ソテーなど様々な調理法で楽しめる。日本の鯛に近い食感だが、身はもう少し厚い。レストランで30〜45AUD。
マカダミアナッツ
オーストラリア原産のナッツ。ロースト、キャラメルコート、チョコレートコートなど様々な形で売られている。スーパーで200gパック8〜12AUD。お土産としても人気。日本で買うよりかなり安い。
ラムチョップ
西オーストラリアのラム(子羊肉)は、ニュージーランド産と並んで世界最高品質。臭みが少なく、柔らかい。BBQで焼いたラムチョップにミントソースを添えるのが定番。レストランで28〜42AUD。日本ではなかなか食べられないクオリティだ。
オーストラリアンブレックファースト
パースのカフェでの朝食体験は外せない。典型的なオーストラリアンブレックファーストは、トースト(サワードウ)にアボカドスマッシュ、ポーチドエッグ、ハルーミチーズ、ベーコン、ローストトマトが並ぶ。20〜30AUD。日本の朝食とはまったく異なるが、これを食べるとパースに来たことを実感する。
ティムタム
オーストラリアの国民的チョコレートビスケット。スーパーで一箱4AUD程度。オリジナル、ダークチョコ、キャラメルなど多数のフレーバーがある。コーヒーに浸して食べる'Tim Tam Slam'(両端を噛み切ってストローのように使う)が現地流の食べ方。お土産にも最適だが、帰国前にスーパーで大量買いする日本人旅行者をよく見かける。
パースの秘密:地元の人のアドバイス
1. 無料のCATバスを活用する
パースCBD内を走るCAT(Central Area Transit)バスは完全無料。Red CAT(東西)、Blue CAT(南北)、Yellow CAT(東部)、Green CAT(北部)の4路線があり、主要観光地をカバーしている。5〜10分間隔で運行しており、観光客が知らないことが多い。タクシーに乗る前にCATバスで行けないか確認するだけで、かなりの節約になる。
2. 日曜のフリーマントルマーケットは早めに行く
フリーマントルマーケットは金曜〜日曜営業だが、日曜は特に混む。開店直後の9時(金曜は8時)に行くのがベスト。新鮮なフルーツ、手作りジュエリー、地元アーティストの作品など、見るだけでも楽しい。ただし日曜の午後は歩くのも大変なほど混雑する。
3. サンセットはコテスローで見る
パースの西海岸はインド洋に面しているため、コテスロービーチからは毎日壮大なサンセットが見られる。地元の人は夕方にワインやビールを持ってビーチに集まる。海に直接沈む太陽は日本ではなかなか見られない光景だ。日の入り時刻はアプリで確認しておこう。
4. チップは不要
オーストラリアでは、サービス料は従業員の給与に含まれている。チップは義務ではなく、特に素晴らしいサービスを受けた場合に10%程度置く程度。日本と同じ感覚でいい。ファインダイニングでも強制ではない。会計時に'Would you like to add a tip?'と聞かれても、'No, thank you'と言って問題ない。
5. 水道水はそのまま飲める
パースの水道水は安全に飲める。ミネラルウォーターを買う必要はない。レストランでも'Tap water, please'と言えば無料の水道水を持ってきてくれる。ペットボトルの水は2.5〜4AUDするので、マイボトルを持参すると節約になる。
6. 紫外線対策は本気で
オーストラリアの紫外線は日本の3〜5倍。たった30分の屋外活動でも日焼けする。SPF50+の日焼け止め(スーパーで10〜15AUD)、サングラス、帽子は必須。地元の人は'Slip, Slop, Slap'(服を着て、日焼け止めを塗って、帽子をかぶって)というスローガンで育っている。日本人の感覚では'ちょっと大げさ'に思うかもしれないが、本当に焼ける。
7. クオッカとの自撮りにはコツがある
ロットネスト島のクオッカは人懐っこいが、自分から近づいてくるわけではない。ベストな方法は、地面に座って待つこと。カメラのインカメラを構えて準備し、クオッカが近づいてきたらシャッターを押す。餌をあげるのは法律で禁止されている(罰金300AUD)。朝のSettlement(フェリー乗り場周辺)が最も遭遇しやすい。
8. スーパーの営業時間に注意
パースのスーパー(Coles、Woolworths)は平日は通常20時か21時に閉まる。日曜は多くの店が17時閉店。日本のコンビニ文化に慣れていると戸惑うが、市内中心部には一部24時間営業の小型スーパー(IGA)がある。夜食やスナックは早めに購入しておくこと。
9. レンタカーは右ハンドル・左側通行
オーストラリアは日本と同じ左側通行・右ハンドル。日本人ドライバーにとっては非常に運転しやすい。ただしラウンドアバウト(ロータリー交差点)が多いので慣れが必要。国際免許証があれば運転可能。レンタカーは1日60〜120AUD(保険込み)。ピナクルズ砂漠やウェーブロックへの遠出には車が便利だ。
10. ブランチ文化を楽しむ
パースの人々はブランチが大好きだ。土日の10時〜14時は人気カフェに行列ができる。日本のように'並んでまで食べるの?'と思うかもしれないが、パースのブランチは一つの文化体験だ。友人とゆっくり座って、コーヒーを2〜3杯飲みながら2時間過ごすのが現地スタイル。急いで食べて席を立つ必要はない。
11. 星空は郊外まで行く価値がある
パースは世界で最も孤立した大都市の一つで、郊外に出ると光害が少ない。車で1〜2時間走るだけで、南半球の満天の星空と天の川、南十字星を肉眼で見られる。ピナクルズ砂漠での星空観察ツアー(夕方出発、120〜180AUD)は一生の思い出になる。日本では見られない南半球の星座を楽しめる。
12. フリーWi-Fiは意外と充実
パースCBD全域でフリーWi-Fi(Perth WiFi)が使える。カフェ、ショッピングセンター、図書館でもWi-Fiが提供されている。ただし速度はまちまち。動画を見たりマップをダウンロードしたい場合は、空港でプリペイドSIMカード(Optus、Telstra、Vodafone)を購入するのがおすすめ。30日間で10GBのプランが30AUD程度。eSIMに対応したスマホなら、出発前にAiraloなどのアプリで購入できる。
パースの交通と通信
空港から市内へ
パース空港(PER)は市内中心部から約15km東に位置する。市内へのアクセス方法は以下の通り。
- 電車(Airport Line):空港駅からパースCBDまで約20分。料金5.10AUD。最も安く、最も速い。ただし大きなスーツケースがある場合は混雑時にやや不便。
- Uber / Ola / DiDi:CBDまで25〜40AUD。所要25〜35分。荷物が多い場合やグループ旅行なら最もコスパが良い。空港のRideshare乗り場から乗車。
- タクシー:CBDまで35〜55AUD。Uberより少し高い。空港タクシー乗り場から乗車。
- 空港シャトルバス:Perth Airport Connect。主要ホテルまで送迎。18AUD。予約制。
市内交通
Transperthがパースの公共交通を運営しており、電車、バス、フェリーが統合された料金体系になっている。
SmartRider カード:日本のSuicaやPASMOに相当するICカード。駅の窓口やTransperth InfoCentreで購入(カード代10AUD+チャージ金額)。電車、バス、フェリーすべてで使える。現金やクレジットカードのタッチ決済(Visa、Mastercard)でも乗車可能だが、SmartRiderのほうが割引がある(約15〜25%オフ)。
料金ゾーン:パースの交通はゾーン制。CBD内(Zone 1)からフリーマントル(Zone 2)までは片道3.80AUD(SmartRider利用時)。1日乗り放題のDayriderは自動適用され、2回目の乗車以降は割引、一定額を超えるとそれ以上課金されない仕組みだ。
電車:5路線(Joondalup、Mandurah、Midland、Armadale、Airport)。CBDの3駅(Perth Underground、Perth、McIver)が中心。フリーマントルへはFremantle線で約30分。日中は10〜15分間隔、夕方以降は20〜30分間隔で運行。
バス:CATバス(無料)がCBD内を巡回。その他のバスは郊外への移動に便利。Google MapsやTransperthアプリでルート検索ができる。
フェリー:エリザベス・キーからサウスパースまで約7分。SmartRiderで乗車可能。スワン川を渡る短い船旅で、景色が素晴らしい。
レンタカー
パース市内だけなら公共交通で十分だが、ピナクルズ砂漠、ウェーブロック、マーガレットリバーなど郊外への遠出にはレンタカーが便利。Hertz、Avis、Budgetなどの大手は空港に営業所がある。料金は小型車で1日60〜90AUD、SUVで100〜150AUD(保険込み)。国際免許証と日本の運転免許証の両方が必要。ガソリン(Petrol)は1リットル1.60〜2.00AUD。
通信
SIMカード:パース空港の到着ロビーにOptus、Telstra、Vodafoneのショップがある。プリペイドSIMは以下が目安。
- Telstra:30日間10GB、30AUD。カバレッジ最強(郊外でも繋がる)。
- Optus:28日間15GB、30AUD。コスパ良し。市内では問題なし。
- Vodafone:28日間12GB、25AUD。最安だがカバレッジはやや劣る。
eSIM:iPhoneやPixelなどeSIM対応機種なら、出発前にAiralo、Holafly、Ubigi などのアプリでオーストラリア用eSIMを購入できる。到着後すぐにデータ通信が使える。7日間3GBで10USD前後。空港でSIMカードを買う手間が省ける。
フリーWi-Fi:パースCBDでは'Perth WiFi'という無料Wi-Fiが利用可能。図書館、ショッピングモール、大手カフェチェーンでもWi-Fiが提供されている。ただし、セキュリティの観点からVPNの使用を推奨する。
日本との連絡:LINEやFaceTimeは問題なく使える。国際電話をかける場合は、+81(日本の国番号)に続けて市外局番の最初の0を省いた番号をダイヤル。ただし、LINEやWhatsAppの音声通話のほうがはるかに安い(データ通信料のみ)。
パースはどんな人に向いている?まとめ
パースは、東京の反対側にある'ちょうどいい'都市だ。シドニーほど忙しくなく、バリほどカオスではなく、ヨーロッパほど遠くない。時差はたった1時間。直行便で10時間。右ハンドル・左側通行。治安も良い。日本人にとって、これほど旅行しやすい海外都市は多くない。
パースが向いている人:
- ビーチとシティの両方を楽しみたい人
- 人混みが苦手で、ゆったりした旅行がしたい人
- 自然(砂漠、ワイルドフラワー、海洋生物)に興味がある人
- ワインと食を楽しみたい大人の旅行者
- 家族連れ(サイテック、ロットネスト島のクオッカ、ビーチなど子供が喜ぶスポットが多い)
- 初めてのオーストラリア旅行で、東海岸の喧騒を避けたい人
パースがあまり向かない人:
- 常に刺激を求めるタイプ(ナイトライフはメルボルンやシドニーに劣る)
- ショッピングが最大の楽しみの人(ブランドショップは東京のほうが充実)
- 短期間で多くの都市を回りたい人(パースは孤立しており、次の大都市まで飛行機で4時間)
パースは、日常の疲れをリセットしたい人に最適な目的地だ。コテスロービーチで夕日を見ながらビールを飲み、キングスパークでユーカリの香りを吸い込み、ロットネスト島でクオッカの笑顔に癒される。そんなシンプルだけど贅沢な時間が、パースにはある。
