タオ島
タオ島(コタオ)2026:旅行前に知っておくべきこと
タイ湾に浮かぶ小さな島、タオ島(コタオ)。面積わずか21平方キロメートルのこの島が、世界中のダイバーやバックパッカーを惹きつけ続けている理由は明快だ。透明度抜群の海、手頃な価格でPADIライセンスが取得できるダイビングスクール、そしてタイ本島とは一味違うのんびりとした空気感。バンコクの喧騒に疲れた旅行者が「もう少しだけタイにいたい」と思ったとき、最終的にたどり着くのがこの島だったりする。
日本からのアクセスは、バンコク経由でスラータニーまたはチュンポンへ飛び、そこからフェリーで渡るのが一般的なルート。所要時間はトータルで12〜16時間ほど。決して近くはないが、到着した瞬間にその苦労は報われる。サイリービーチの白砂、ナンユアン島の息を呑むような絶景、そして夜になればビーチバーから流れるレゲエの音色。これが「タオ島マジック」と呼ばれるものだ。
この記事では、タオ島を最大限に楽しむための実践的な情報を徹底的にまとめた。エリア選び、モデルコース、グルメ、交通手段、そして地元の人しか知らないコツまで。2026年の最新情報をベースに、日本人旅行者の視点で書いている。初めてのタオ島でも、リピーターでも、きっと役に立つはずだ。
タオ島のエリアガイド:どこに泊まるべきか
タオ島は小さいとはいえ、エリアによって雰囲気がまったく異なる。宿泊エリアの選択は旅の満足度を大きく左右するので、自分のスタイルに合った場所を選ぼう。
サイリービーチ(西海岸):島のメインストリート
サイリービーチはタオ島最大のビーチであり、島の中心地だ。約1.7キロメートルにわたる白砂のビーチ沿いに、レストラン、バー、ダイビングショップ、コンビニ、ATMが集中している。いわばタオ島の「渋谷」のような存在で、何をするにも便利。
宿泊施設の選択肢が最も多く、1泊300バーツ(約1,300円)のドミトリーから、1泊5,000バーツ(約21,000円)以上のブティックリゾートまで幅広い。初めてタオ島を訪れるなら、まずはここを拠点にするのが無難だ。夜はビーチバーでファイヤーショーを眺めながらカクテルを楽しめる。金曜と土曜の夜は特に賑わう。
こんな人におすすめ:初訪問の人、ナイトライフを楽しみたい人、ダイビングライセンス取得が目的の人、一人旅の人。
注意点:ハイシーズン(12月〜3月)はかなり混雑する。静かに過ごしたいなら、サイリービーチの北端がおすすめ。南端に比べて人が少なく、海もきれいだ。
メーハート(南西部):フェリー港のあるエリア
メーハートはフェリーが発着する港町で、タオ島の玄関口だ。銀行、郵便局、薬局、セブンイレブンなどの生活インフラが揃っており、長期滞在者にとっては最も実用的なエリアといえる。
宿泊費はサイリーよりやや安めで、1泊500〜2,000バーツ(約2,100〜8,400円)程度のゲストハウスやホテルが多い。ビーチはサイリーほど美しくないが、日常的な買い物には便利。フェリーの出発時間が早朝の場合、前泊するのにも最適だ。
こんな人におすすめ:長期滞在者、予算を抑えたい人、フェリーの乗り継ぎに便利な場所を探している人。
チャロック・バーン・カオ(南部):静かなファミリー向けエリア
島の南部に位置するチャロック・バーン・カオは、サイリーの喧騒から離れた静かなエリア。小さな湾に面しており、波も穏やか。シャークベイやジョン・スワン展望台へのアクセスも良い。
中級クラスのリゾートが多く、1泊1,500〜4,000バーツ(約6,300〜16,800円)が相場。カップルやファミリーに人気で、落ち着いた雰囲気の中でシュノーケリングや散歩を楽しめる。レストランの数はサイリーより少ないが、味のレベルは高い隠れた名店がいくつかある。
こんな人におすすめ:カップル、ファミリー、静かに過ごしたい人、シュノーケリング好き。
タノート湾・アオルーク(東海岸):自然派のための秘境
島の東側は開発が進んでおらず、手つかずの自然が残るエリア。タノート・ベイやアオルーク・ビーチは、シュノーケリングの聖地として知られている。岩場から海に飛び込むクリフジャンプも人気だ。
宿泊施設は限られるが、その分プライベート感は抜群。1泊800〜3,000バーツ(約3,400〜12,600円)程度で、バンガロースタイルの宿が主流。レストランやコンビニは少ないので、ある程度の不便さは覚悟が必要。ただし、その不便さこそが「本物のタオ島体験」だと言う常連も多い。
こんな人におすすめ:自然を満喫したい人、人混みが苦手な人、アドベンチャー好き、リピーター。
ナンユアン島(離島):日帰りで十分、でも泊まると別世界
ナンユアン島はタオ島の北西に浮かぶ3つの小島で、砂州でつながった独特の地形が美しい。日帰りツアーで訪れる人がほとんどだが、島に唯一あるリゾートに宿泊すると、朝夕の静かな時間帯にこの絶景を独り占めできる。ただし宿泊費は高め(1泊3,000〜8,000バーツ/約12,600〜33,600円)で、島内にペットボトルの持ち込みが禁止されているなど、独自のルールがある。
ベストシーズン
タオ島の気候は大きく3つのシーズンに分けられる。時期によって海のコンディション、宿泊費、混雑度がまったく変わるので、目的に合わせて渡航時期を選ぼう。
ベストシーズン:12月〜3月(乾季)
文句なしのベストシーズン。雨はほとんど降らず、海の透明度も最高で、水中視界は20〜40メートルに達することもある。ダイビング、シュノーケリング、ビーチでのんびり、どれをとっても最高のコンディション。気温は28〜32度。日本の真冬に当たるため、寒さから逃れるバカンスとしても最適だ。
ただし、この時期は世界中から旅行者が集まるため、宿泊費は年間で最も高くなる。人気のダイビングショップやレストランは予約が必要になることも。年末年始は特に混雑するので、宿は最低でも2週間前には押さえておきたい。
ショルダーシーズン:4月〜6月、10月〜11月
乾季と雨季の境目にあたるショルダーシーズンは、実は穴場の時期。4〜6月は暑さのピークだが(35度以上になることも)、海は穏やかで透明度も悪くない。宿泊費はベストシーズンの50〜70%程度に下がり、コストパフォーマンスが良い。日本のゴールデンウィークはちょうどこの時期に当たるので、混雑を避けつつ良いコンディションで楽しめる可能性が高い。
10〜11月は雨季の終わりかけで、天候がやや不安定。ただし、ジンベエザメの目撃率が最も高い時期でもあり、ダイバーにとっては魅力的なシーズンだ。チュンポン・ピナクルでジンベエザメに遭遇する確率は、この時期が一年で最も高いとされている。
ローシーズン:7月〜9月(雨季)
モンスーンの影響でスコールが頻繁に発生し、海が荒れることも多い。フェリーが欠航になる日もあるため、スケジュールに余裕を持った計画が必要。ダイビングは可能だが、透明度は5〜15メートル程度に落ちる。
一方で、宿泊費は年間最安値となり、ベストシーズンの30〜50%程度。ダイビングライセンスの取得費用も割引されることが多い。閑散としたビーチを独り占めできるのも、この時期ならではの魅力だ。雨は一日中降り続くことは少なく、2〜3時間のスコールの後にカラッと晴れるパターンが多い。
タオ島モデルコース:3日間から7日間
3日間コース:弾丸だけど主要スポットは制覇
1日目:到着 & サイリービーチ散策
- 午前:メーハート港に到着。宿にチェックイン後、荷物を置いてサイリービーチへ
- 午後:ビーチでのんびり。浅瀬でもカラフルな魚が見えるので、マスクとシュノーケルがあれば十分楽しめる
- 夕方:サイリービーチの夕日は西向きなので絶好のサンセットポイント。ビーチ沿いのバーでモヒート(150〜250バーツ/約630〜1,050円)を片手に鑑賞
- 夜:サイリーのナイトマーケットで夕食。パッタイ(60〜80バーツ/約250〜340円)、マンゴースティッキーライス(80〜120バーツ/約340〜500円)
2日目:ナンユアン島 & シュノーケリング
- 午前:ボートでナンユアン島へ(往復300〜500バーツ/約1,260〜2,100円)。入島料100バーツ(約420円)。砂州を歩いて3つの島を散策。ビューポイントまでの登山(約20分)は必須。360度のパノラマは息を呑む美しさ
- 午後:ナンユアン島周辺でシュノーケリング。サンゴ礁と熱帯魚の密度はタオ島随一。その後、マンゴーベイに寄ってさらにシュノーケリング
- 夕方:タオ島に戻り、チャロック方面のジョン・スワン展望台で夕日鑑賞。岩場を少し歩くので、スニーカーかサンダル推奨
- 夜:サイリーのレストランでシーフードディナー
3日目:東海岸探索 & 出発
- 午前:レンタルバイクで東海岸へ。タノート・ベイで岩場からのクリフジャンプに挑戦(高さ3〜5メートル。怖ければ見ているだけでも楽しい)
- 午後:アオルーク・ビーチでシュノーケリング。ここは入場料50バーツ(約210円)がかかるが、海の透明度と魚の多さは文句なし
- 夕方:メーハートに戻り、フェリーで出発。または、もう1泊して最後の夜を満喫
5日間コース:ダイビングライセンス取得プラン
1日目:到着 & オリエンテーション
- メーハート港到着後、ダイビングショップ巡り。タオ島にはPADI認定のショップが40以上あり、競争が激しいため価格は比較的リーズナブル。オープンウォーターコースの相場は8,500〜10,000バーツ(約35,700〜42,000円)で、教材費、器材レンタル、宿泊2〜3泊分が含まれていることが多い
- 日本語対応のショップもいくつかあるので、英語が不安な人は事前に調べておくと良い。「Ban's Diving」や「Crystal Dive」など大手ショップは日本人スタッフが在籍していることがある
- 午後はダイビングの学科講習(e-learningで事前に済ませておくと時間短縮になる)
2〜3日目:PADI オープンウォーター講習
- 2日目:プール(限定水域)でのスキル練習。マスククリア、レギュレーターリカバリーなど基本スキルを習得
- 3日目:海洋実習2本。タオ島の穏やかな海はライセンス講習に最適で、世界で最もダイビングライセンスが発行される島の一つとされている
- 4本の海洋実習ダイブを経て、晴れてPADIオープンウォーターダイバー認定。最大18メートルまで潜れるようになる
4日目:ファンダイブ & ビーチ
- 午前:取得したてのライセンスで早速ファンダイブへ。チュンポン・ピナクルは上級者向けだが、ツインズやホワイトロック、レッドロックなど初心者でも楽しめるポイントが多い
- 午後:フリーダムビーチでのんびり。アクセスが少し面倒(急な坂道を下る)だが、その分人が少なく、プライベートビーチ感覚で楽しめる
5日目:島一周 & 出発
- レンタルバイクで島を一周。東海岸のタノート・ベイ、南のシャークベイを巡る。シャークベイでは浅瀬でブラックチップリーフシャーク(小型のサメで人には無害)に遭遇することも
- 午後:お土産購入、フェリーで出発
7日間コース:完全制覇プラン
5日間コースに以下を追加:
6日目:アドバンスド講習またはシュノーケリングツアー
- ダイバーなら:PADIアドバンスドオープンウォーター講習(2日間、7,000〜9,000バーツ/約29,400〜37,800円)。ディープダイブ、ナビゲーション、ナイトダイブなどを体験し、最大30メートルまで潜れるようになる
- ノンダイバーなら:ボートシュノーケリングツアー(800〜1,500バーツ/約3,400〜6,300円)でナンユアン島、マンゴーベイ、アオルークを巡る
7日目:のんびり & お別れ
- 午前:タイマッサージ(300〜500バーツ/約1,260〜2,100円/1時間)でリラックス。サイリービーチ沿いにマッサージ店は無数にある
- 午後:カフェ巡り。タオ島のカフェ文化は意外と充実しており、サイリーエリアを中心にインスタ映えするカフェが増えている
- 夕方:最後のサンセットをサイリービーチで。フェリーで島を後にする
グルメガイド:レストランとカフェ
タオ島の食事事情は、年々レベルが上がっている。タイ料理はもちろん、イタリアン、メキシカン、日本食まで選択肢は豊富。ただし離島なので、バンコクやチェンマイと比べると全体的に2〜3割高い。以下、エリア別にまとめたガイドを参考にしてほしい。
サイリービーチエリア
Barracuda Restaurant & Bar — タオ島で最も評価の高いレストランの一つ。タイ料理と西洋料理の融合がコンセプトで、特にシーフードの質が高い。メイン料理は250〜600バーツ(約1,050〜2,520円)。予約推奨。テラス席からのサンセットビューは素晴らしい。
Pranees Kitchen — 地元の人にも人気のタイ料理食堂。グリーンカレー80バーツ(約340円)、パッタイ70バーツ(約295円)と良心的な価格。エアコンはなくファンのみだが、味は本物。英語メニューあり。
The Gallery — サイリービーチ沿いのおしゃれなレストラン。夕日を見ながらのディナーに最適。ピザやパスタなどイタリアン中心で、メイン200〜450バーツ(約840〜1,890円)。ベジタリアンメニューも充実。
Cafe Culture — サイリーのメインストリートにあるカフェ。エスプレッソ系コーヒーは80〜140バーツ(約340〜590円)。朝食メニュー(アサイーボウル、アボカドトースト等)が人気で、朝8時から行列ができることも。Wi-Fiは安定しているので、ノマドワーカーにもおすすめ。
メーハートエリア
Cappuccino — 港の近くにあるカフェレストラン。フェリー待ちの旅行者御用達。サンドイッチやスムージーボウルなど軽食が中心で、100〜250バーツ(約420〜1,050円)。店内はエアコン完備で涼しい。
Whitening(ナイトマーケット) — メーハートの夕方から開くナイトマーケットは、島内で最もコスパの良い食事スポット。屋台でパッタイ50バーツ(約210円)、焼き鳥(サテ)10本で60バーツ(約250円)、フレッシュフルーツシェイク40バーツ(約170円)。衛生面は屋台ごとに差があるが、火の通ったものを選べば問題なし。
チャロック・バーン・カオエリア
Viewpoint Restaurant — 高台にあるレストランで、チャロック湾を一望できるロケーション。タイ料理とインターナショナル料理のメニューがあり、150〜400バーツ(約630〜1,680円)。ランチタイムの静かな時間帯が特におすすめ。
New Heaven Restaurant — ダイビングリゾートに併設されたレストラン。海を見ながらの食事が楽しめる。タイ料理の質が高く、特にマッサマンカレー(180バーツ/約760円)が絶品と評判。
カフェ文化について
タオ島のカフェシーンは2020年代に入って急速に発展した。サードウェーブコーヒーを提供するカフェが増え、タイ北部産のスペシャルティコーヒーを丁寧にハンドドリップで淹れてくれる店もある。価格帯はバンコクとほぼ同じ(90〜160バーツ/約380〜670円)で、離島にしては質が高い。日本のコーヒー文化に慣れている人でも満足できるレベルだ。
絶対食べたい料理
タオ島に来たら必ず試してほしい料理を厳選した。タイ料理の定番から、タオ島ならではのものまで。
ソムタム(青パパイヤのサラダ)
タイ料理の代名詞ともいえる一品。青パパイヤを千切りにして、ライム、唐辛子、ナンプラー、干しエビなどと和えたもの。辛さは「ペッ・ノーイ(少し辛く)」と伝えれば日本人にも食べやすい。屋台で50〜80バーツ(約210〜340円)。
プーパッポンカリー(蟹のカレー炒め)
卵とカレー粉で炒めた蟹料理。タオ島は漁師の島でもあるため、新鮮な蟹を使った料理は格別。レストランで250〜450バーツ(約1,050〜1,890円)。蟹のサイズによって価格が変わることもあるので、注文前に確認を。
マッサマンカレー
CNNの「世界で最も美味しい料理」ランキングで1位に選ばれたこともあるタイカレー。ココナッツミルクベースで、ピーナッツ、じゃがいも、鶏肉が入っている。辛さは控えめで、日本人の口に合いやすい。100〜200バーツ(約420〜840円)。
パッタイ
言わずと知れたタイの国民食。米粉の平麺をエビ、もやし、卵、ピーナッツと一緒に炒めたもの。ライムを絞って食べるのが正しい食べ方。屋台で50〜80バーツ(約210〜340円)、レストランで100〜180バーツ(約420〜760円)。
トムヤムクン
レモングラス、ガランガル、コブミカンの葉で香り付けされた酸っぱくて辛いスープ。タオ島では新鮮なエビを使ったバージョンが特においしい。150〜300バーツ(約630〜1,260円)。辛いのが苦手なら「マイペッ(辛くしないで)」と伝えよう。
マンゴースティッキーライス
タイのデザートの王様。完熟マンゴーと甘いもち米をココナッツミルクで食べる。シンプルだが中毒性がある。4月〜6月がマンゴーの旬で、この時期のものは格別。80〜150バーツ(約340〜630円)。
シーフードBBQ
サイリービーチ沿いのレストランでは、夕方になるとシーフードBBQのセットアップが始まる。新鮮なエビ、イカ、魚、貝類をグリルで焼いて食べるスタイル。価格はシーフードの量によるが、2人で500〜1,000バーツ(約2,100〜4,200円)程度が目安。ビーチのすぐそばで波の音を聞きながら食べるシーフードは、それだけで旅の記憶に残る。
ロティ
タイ南部のストリートフード。薄いクレープ状の生地にバナナとチョコレートソースを包んだもの。屋台で40〜60バーツ(約170〜250円)。夜のサイリービーチを歩いていると、ロティ屋台の甘い香りに誘われるはずだ。食後のおやつにぴったり。
地元の人だけが知る秘密のアドバイス
ガイドブックには載っていない、タオ島を深く楽しむためのインサイダー情報をまとめた。
レンタルバイクの注意点
タオ島の道路は急な坂道が多く、舗装されていない区間もある。バイクの運転経験がない人が無理に乗ると事故のリスクが高い。タオ島の病院は診療所レベルで、重症の場合はサムイ島かスラータニーまでヘリまたはボートで搬送される。国際運転免許証を持っていない場合、事故時に保険が適用されないケースもある。
レンタル料は1日150〜300バーツ(約630〜1,260円)。借りる際はバイクの傷を写真に撮っておくこと。返却時に「ここに傷があった」と請求されるトラブルは珍しくない。また、パスポートを預けるよう求められることがあるが、コピーで対応してもらえるか交渉しよう。パスポートの原本は自分で管理するのが鉄則だ。
値段交渉のコツ
タオ島はタイの中でも観光客向けの価格設定が強い場所。特にタクシー(ソンテウ)、ボートツアー、レンタル用品は交渉の余地がある。コツは笑顔で穏やかに交渉すること。タイでは声を荒げたり怒ったりすると「面子を潰された」と感じられ、逆効果になる。最初の提示価格から20〜30%引きが落とし所のことが多い。
水の問題
タオ島は淡水が不足しがちな島で、シャワーの水圧が弱い宿も多い。乾季にはさらに水不足が深刻になることがある。高級リゾート以外では、シャワーの温水が出ないこともある(暑い島なので水シャワーでも問題ないが)。飲料水は必ずボトルウォーターを。コンビニで7〜15バーツ(約30〜63円)。
ATMと現金について
タオ島にはATMがいくつかあるが、数は限られている。メーハートとサイリーに集中しており、東海岸にはほとんどない。タイのATMは外国カードに200バーツ(約840円)の手数料がかかる。まとまった金額を一度に引き出すのが賢い。JCBカードはタイ国内で比較的使えるが、タオ島の小さな店では受け付けないことが多い。VisaまたはMastercardを持っておくのが安全だ。ただし、島内のレストランや屋台は現金のみの店も多いので、常に現金を持ち歩こう。
ゴミ問題への意識
タオ島は「タートル・アイランド」の名の通り、ウミガメが生息する美しい島だが、近年はプラスチックゴミの問題が深刻化している。地元のNGOがビーチクリーンナップ活動を定期的に行っており、参加する旅行者も多い。自分のゴミは持ち帰り、シュノーケリング中にサンゴに触れない、日焼け止めはリーフセーフのものを使うなど、小さな配慮が島の環境保全につながる。
「フルムーンパーティー」はパンガン島
よく混同されるが、有名なフルムーンパーティーはタオ島ではなく、隣のパンガン島で開催される。タオ島からパンガン島へはフェリーで約1時間半(400〜600バーツ/約1,680〜2,520円)。満月の夜にパンガン島まで行ってパーティーを楽しみ、翌朝タオ島に戻るというプランも可能だが、帰りのフェリーは翌朝なので宿泊が必要になることが多い。
チップ文化
タイではチップは義務ではないが、良いサービスを受けたら20〜100バーツ程度を渡すのがスマートだ。特にダイビングインストラクター、マッサージ師、ホテルの清掃スタッフには感謝の気持ちとしてチップを渡す旅行者が多い。日本のようにチップ文化がない国から来ると戸惑うかもしれないが、無理のない範囲で気持ちを示せば喜ばれる。
交通・通信ガイド
日本からタオ島へのアクセス
タオ島には空港がないため、陸路と海路を組み合わせる必要がある。主なルートは以下の通り。
ルート1:バンコク経由(最も一般的)
- 東京(成田/羽田)またはから大阪(関空)からバンコク・スワンナプーム空港へ(約6〜7時間、往復30,000〜80,000円)
- バンコクからスラータニー空港へ国内線(約1時間15分、片道2,000〜5,000バーツ/約8,400〜21,000円)
- スラータニー空港からドンサック港へバス(約1時間半、無料シャトルまたは含まれている場合が多い)
- ドンサック港からタオ島へフェリー(約5〜6時間、片道600〜1,200バーツ/約2,520〜5,040円)
ルート2:サムイ島経由(最も快適)
- バンコクからサムイ島へ直行便(約1時間15分、バンコクエアウェイズ独占路線のためやや高め、片道3,000〜8,000バーツ/約12,600〜33,600円)
- サムイ島からタオ島へ高速フェリー(約1時間45分、片道600〜800バーツ/約2,520〜3,360円)
ルート3:チュンポン経由(最も安い)
- バンコクからチュンポンへ夜行列車または長距離バス(7〜9時間、300〜1,000バーツ/約1,260〜4,200円)
- チュンポンからタオ島へフェリー(約1時間45分〜3時間、片道600〜900バーツ/約2,520〜3,780円)
おすすめ:時間に余裕がなければルート2が最も早い(バンコクから合計約3〜4時間)。コスパ重視ならルート3。初めてのタイ旅行でサムイ島も観光したいなら、サムイ島に2〜3泊してからタオ島に移動するのがベスト。
フェリー会社:Lomprayah(ロンプラヤ)とSongserm(ソンサーム)が主要2社。Lomprayahの方がやや高いが、船が新しく、時間も正確。Songsermは安いが遅延が多い。どちらもオンライン予約可能で、12go.asiaなどの比較サイトが便利だ。
島内の移動手段
ソンテウ(乗合タクシー):ピックアップトラックの荷台に乗るスタイル。メーハート港からサイリービーチまで100バーツ(約420円)、チャロックまで150バーツ(約630円)が相場。深夜は割増で200〜300バーツになることも。
レンタルバイク:1日150〜300バーツ(約630〜1,260円)。125ccのスクーターが主流。島内のガソリンスタンドは1箇所しかないが、路上にボトル入りガソリンを売る店(40バーツ/リットル程度)がある。国際免許があれば問題ないが、ない場合は検問で罰金500バーツを取られることもある。
徒歩:サイリービーチ内の移動なら十分歩ける。ただし、サイリーからチャロックまでは山越えの道で、徒歩だと1時間以上かかる。暑い中歩くのは熱中症のリスクもあるので、水分補給を忘れずに。
ロングテールボート:東海岸のビーチへはボートでアクセスする方が楽な場合もある。チャーターで500〜1,500バーツ(約2,100〜6,300円)。人数で割ればそれほど高くない。
通信環境
タオ島のインターネット環境は、離島としては比較的良好。多くのカフェやレストランでWi-Fiが使えるが、速度は場所によって差がある。安定した通信が必要なら、タイのSIMカードを購入するのがベスト。
バンコクの空港でAIS、DTAC、TrueMove Hなどのツーリストプランが購入可能。8日間のデータ無制限プランで299バーツ(約1,260円)程度。eSIMに対応しているスマホなら、日本にいるうちにオンラインで購入・設定しておけば到着直後から使える。
タオ島ではAISの電波が最も安定している印象。東海岸の山間部では電波が弱くなることがあるので注意。重要な連絡はサイリーやメーハートにいるうちに済ませておこう。
保険について
タオ島ではダイビング事故、バイク事故、シュノーケリング中の怪我が比較的多い。海外旅行保険には必ず加入し、ダイビングをする場合はダイビング特約が付いているか確認すること。DANの保険に加入するダイバーも多い。クレジットカード付帯の保険ではダイビング事故がカバーされないことがあるので要注意。
まとめ
タオ島は、タイの数ある島の中でも特別な存在だ。世界クラスのダイビングスポット、手つかずのビーチ、リーズナブルな物価、そしてどこか懐かしい「島時間」の流れ。バンコクの華やかさとも、プーケットのリゾート感とも違う、素朴でありながら奥深い魅力がある。
日本からのアクセスは決して良いとは言えないが、その分「わざわざ来た甲斐があった」と感じさせてくれる島だ。サイリービーチの夕日、ナンユアン島の絶景、チュンポン・ピナクルの水中世界。一度訪れれば、きっとまた戻りたくなる。
最低3日間あれば主要スポットは回れるが、できれば5〜7日間の滞在をおすすめする。ダイビングライセンスの取得を考えているなら、なおさらだ。何も予定を入れず、ビーチでぼんやりする日が1日あるだけで、旅の満足度は格段に上がる。タオ島はそういう場所だ。急がず、焦らず、島のペースに身を委ねてほしい。
